【事例報告】平成27年度県立高等学校職員「カタリ場研修会」が沖縄で実施されました
7月27日に真和志高等学校図書館にて沖縄県教育庁県立学校教育課主催で、2回目となる「平成27年度県立高等学校職員「カタリ場」研修会」が実施されました。
参加対象校は沖縄県内にある14校。一般社団法人インクルージョンネットかながわ代表理事であり、NPO法人パノラマ理事・臨床心理士である鈴木晶子氏を講師としてお招きし、カタリバからもカタリ場事業部ディレクター、堀井勇太がコーディネーターとして参加しました。
「NPOカタヤビラ」という学生団体が中心となり、沖縄でカタリ場を実施していましたが、その活動は2014年10月から認定NPO法人カタリバへと引き継がれました。「カタヤビラ」という名前は残しつつ、沖縄での展開を進めています。
研修の目的としては「高校における諸課題について協議を行い、互いの情報を交換し、各学校の生徒指導、進路指導の充実に資する」というテーマで行われ、 県内の先生方(主に進路担当、中退担当、学籍担当、教育相談担当)が約50名参加しました。アイスブレイクなども交えながら、研修会は始まりました。
まず初めに、「高校段階における中退・進路未決定を防ぐ効果的な取組について〜地域からのアウトリーチの事例を通して〜」というテーマで、一般社団法人インクルージョンネットかながわ代表理事であり、NPO法人パノラマ理事・臨床心理士である鈴木晶子氏による講演会が行われました。
講演会の中では、NPO法人パノラマと神奈川県立田奈高等学校の協働で運営を行っている「ぴっかりカフェ」についてもお話しをいただきました。「ぴっかりカフェ」とは、高校内でカフェを開き、その中で高校生の悩みや不安に応える地域の相談員と高校生が出会って支援をしていくという取り組みです。
休憩時間には、真和志高校が定期的に生徒と気軽に交流する場を設けているMカフェを再現していただきました。休憩後は「カタリ場」プログラムとして、鈴木先生の講演の振り返りと協議題テーマの設定を行いました。プログラムの最後には4人1組でグループを作り、聞き役1名、話し手2名、オブザーバー1名(客観的に座談会の様子を見る人)を決め、15分の3セットでカタリ場を実施しました。普段、このような形で同じ立場で共通の悩みを抱える先生同士でお話しされる機会はあまりないようで、お話も止むことなく各セット大変盛りあがっておりました。
今回の研修会に参加し、沖縄県内の子ども若者を取り巻く貧困という環境を
改めて現場の先生方から聞く事で、これらの課題は、複雑且つ難解であるということ、また教育という現場において、地域に存在するあらゆる主体が強みを持って根気よく積極的に関わらなければ、「貧困の連鎖」というのは打破できないと感じました。
共同体としてのつながりが強い沖縄の中で、良き文化は残しつつ、改めて「地域の中で子どもたちを育てる」意義に関して、将来を担う子ども達に投資をするべきであり、地域と向き合い議論する場が必要だと私たちは考えています。今後、更に地域の方と手を取りあって、前へ進んでいきたいと思います。
▼沖縄カタリバのご支援はこちらから
http://www.katariba.net/okinawa-lp/
▼8月28日追記
今回の「平成27年度県立高等学校職員「カタリ場研修会」」が2015年8月21日付の沖縄新報でも紹介されました。