「自分に人並みの能力はない」 44.3%、「私は将来に不安を感じている」71%。 明日を担う高校生の現状は、このような“ 自己肯定感”の低さによって特徴づけられます。ほとんどの高校生には、大学生や社会人と接する環境も、将来についてリアリティをもって考える機会もありません。もし高校生の頃に、進路の悩みを先輩に相談したり、大学や仕事について体験談を聞く機会があれば。将来に向けて背中を押される“きっかけ”さえあれば、主体的になれる生徒も多いはず。そんな想いから私たちが始めたのが、「カタリ場」の授業です。
▶「高校生をとりまく教育課題」をみる私たちNPOカタリバは、大学生のボランティアスタッフが中心となって高校を訪問。約2時間の授業で、高校生から「興味のある分野」や「進路についての悩み」の話を引き出し、スタッフは「大学生活で熱中していること」や「高校の頃の失敗談」を語りかけます。高校生が本音を話してくれる鍵は、親でも先生でもない(タテ)、友達でもない(ヨコ)、「ナナメの関係」。 “少し年上の先輩”との出会いによる憧れや安心が、彼らの心に火を灯します。授業の最後には、高校生一人ひとりが「今日からできる小さな行動」を宣言。スタッフと “約束”を結びます。
▶「カタリ場」の授業をみる「本気でやらなきゃ後悔する、という言葉は忘れません」「先輩も自分と同じような悩みをもっていたと聞いて、少しラクになった。乗り越えていける気がする」授業を受けた高校生は、たくさんの“きっかけ”をつかんでくれました。目の前の高校生と向き合い、一人ひとりの可能性を心から信じる。このような対話を積み重ね、15年間で約22万人の高校生に“将来を考えるきっかけ”を届けてきました。授業後のアンケートでは、「高校生活の過ごし方を変えようと思いますか?」という質問に84.4%がYesと答えるなど、定量的な成果も生まれています。
▶「これまでの成果」 をみる