【メルマガ】夢だけは 壊せなかった 大震災

こんにちは、NPOカタリバ山内です。

昨日から3月。3月といえば、学校は“入試”“卒業”と
イベントが盛りだくさんの季節ですね。

そして、2011年3月11日からもうすぐ1年。

私たちが東北で運営する「コラボ・スクール」では、
あの頃に14歳だった中学3年生が今、高校入試に挑み、
そして卒業を迎えます

人生で最初の岐路に立つ年に、震災で多くを失った彼ら。

そんな彼らの1年間の軌跡も振り返りながら、
本号をお届けします。

【お知らせ】
 コラボ・スクール卒業生「“やくそく”旅行」
  〜震災から1年。「ありがとう」から始まる、15歳の旅立ち〜
   
  →春休み、支援してくれた方に感謝を伝えるため
   子どもたちが上京。旅費等へのご支援も、お待ちしています!

 「ただいまを 聞きたい声が 聞こえない」

 「みんなの前 笑えているかな 自分の顔」

 「天国と 地獄の境は どこですか?」

 「今伝える いままで本当に ありがとう」

 宮城県女川町の中学生が、震災後に詠んだこれらの句を見て、
 ショックを受けたのを覚えています。

 2011年3月。東日本大震災によって、
 たくさんの人が家を失い、仕事を失い、家族を失いました。

 失った時間を笑顔で取り戻せるように。
 ぽっかり空いた心の穴を、新しい希望で
 ふさぐことができるように。

 震災の経験を、“悲しみ”から“強さ”に変える
 「学習機会」を創り出すため、昨年夏にスタートしたのが、
 コラボ・スクールです。
 http://www.collabo-school.net

 「震災があったから、行きたい高校に行けなかった」
 「将来の夢をあきらめた」

 そんな想いを抱かせないため、特に力を注いできたのが、
 中学校3年生の高校受験の指導です。

 私は、東京で後方支援の仕事をしているので、
 直接に子どもたちと触れ合うわけではないのですが、
 現地スタッフからの話を聞いて、本当に嬉しかった
 できごとがあったので、皆さまにも共有いたします。

 1月に開催した大槌臨学舎の開校式。

 生徒代表として、詰襟(つめえり)の制服で
 マイクを握った、中学3年の男子生徒のスピーチです。
 

 ※↓から映像でご覧になれます

 <大槌臨学舎「開校式」映像>(7:05〜)

 12月からほぼ毎日、臨学舎に通った結果、
 「難しい問題も解けるようになってきた」という彼が、
 ここまで成長してこれたのは、2つの理由があったと話します。

「1つ目は、【将来の夢があること】です。

  私は将来、看護師になりたいと思っています。

  避難所生活をしているときに、お医者さんの
  サポートをしつつ、私たちのことを想い、
  励ましの言葉をかけてくれた看護師がいました。

  私はその姿を見て、将来その人のような看護師に
  なりたいと思いました。

  将来の夢があると、それに向かって努力しよう
  という力が生まれ、頑張ろうという気持ちになります。

  そのことが今、努力を継続できている理由だと思います。

  2つ目は、【大槌臨学舎がたくさんの支援で
  成り立っている】ということです。

  たくさんのお金を寄付してくれた方や、
  勉強を教えてくれている先生方は、
  さまざまな思いで私たちを応援してくれていると思います。

  私は、そのような方々の気持ちに応えたいと思い、
  頑張っています。

  私たちが今できることは、たくさんの方に感謝して
  勉強することだと思います。

  そして、私たちができる最大限のことをやり遂げたとき、
  たくさんの方に、恩返しできたことになると私は思います。

  受験まであと少しですが、
  最後までたくさんの努力をして勉強するとともに、
  感謝の気持ちを忘れずに、勉強していきたいです。」

 「震災を体験した子どもたちを、支える機能さえあれば、
  この体験は、必ずチャンスに変えられると
  信じて取り組んでいる」

 現地スタッフの話していた信念が、子どもたちの心にも
 届いているんだ!と、感じられた瞬間でした。

 冒頭では、悲しい句を紹介しましたが、
 こんな力強い詩を詠んでくれた中学生もいます。

 「見あげれば 瓦礫の上に こいのぼり」

 「空の上 見てくれたかな 中総体」

 「夢だけは 壊せなかった 大震災」

 震災という、普通の子にはできなかった体験をバネに、
 将来の夢に向かい、たくましく歩みを始めた生徒たちが、
 女川向学館、大槌臨学舎にはいます。

 今年度に卒業を迎える中学3年生は、124名。

 推薦入試を受けた一部の生徒からは、「合格!」の嬉しい声が届き始めています。

 入試まであと一息、皆さまも遠くから
 お見守りいただければ幸いです!

震災から1年。被災地のために、今できること

 「家もランドセルも流されたけど、応援してくれる人が
  いたから、がんばりたいと思えた」(女川町 生徒)

  コラボ・スクールでは、子どもたちの学習指導などの
  ボランティア、そして学校運営のための寄付をして
  くださる方を募集しています。

  10年後の日本にイノベーションを起こしてくれる
  子どもたちを、一緒に育てていきませんか?

> > > 最近のカタリバのニュース

 ・カタリ場のキャスト募集のページを、リニューアルしました

 ・代表理事 今村久美が参議院でお話しさせて頂きました
 
 ・コラボ・スクール「活動報告会」を行います
  

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<編集後記>

はじめにもお知らせしましたが、春休み、コラボ・スクールの
卒業生たちが上京します。

応援してくれた方に「ありがとう」を伝え、
そして将来への頑張りを「やくそく」する。

子どもたちが上京するための費用に、ご寄付を
募っています。今まで遠くから見守ってくださっていた
皆様、ぜひご支援をお願いいたします!

http://www.collabo-school.net/?page_id=2163

本日の東京は雨空。

3月中旬には、春らしく晴れわたった青空が
広がっていることを祈りながら!
こちらで失礼いたします。

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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
  http://www.katariba.net/

【文責】 山内 悠太

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