【メルマガ】「この人には、本音を話していいんだ」ある女子生徒が“自分”を語ってくれるまで
※9月20日に配信したメルマガを記載させていただきます
こんにちは、NPOカタリバの山内です。
三連休、明けましたね。
皆様、いかがお過ごしでしたか?
私は土曜、ビールを飲みに恵比寿へ。
サッポログループ様から、「恵比寿麦酒祭」でのビール売上などで、
被災地支援活動をご支援いただいたのです。
http://www.katariba.net/k-news/8393.html
カタリバの東北復興への取り組み、これまでお伝えできて
いなかったので、これを機にご紹介しますね。
“被災地の夜間学校”コラボ・スクール/女川向学館
↓からどうぞご覧ください!
http://www.collabo-school.net/
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さて今号でも、カタリバのキャリア学習の授業で
【高校生にどんな変化が起こっているのか?】
の事例をお伝えしていければと思います。
今回お話を伺ったのは、マナー講師として働きながら、
カタリバの授業にもボランティアとして
参加してくださっている加藤洋子さんです。
(※ご本人の希望により仮名)
「私、このカード、財布に入れとこうっと」
授業の最後に、「将来に向けて、今日からできること」を
書き込んだ“約束カード”
そのカードをいつももっておこうと、
ある女子生徒が別れ際、照れながら言ってくれた。
それまでの90分間の過程を、話してもらいました。
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■
「仕事を考える」をテーマに行われた、今回の授業。
夏を前に日差しも強くなってきた頃、
体育館に集まった、県立高校の1年生300人近く。
そのなかで、加藤さんが担当したのは、
男女合わせて9名の班。
男子はみんな茶髪、女子は金髪のコも交じり、
そして、制服もくだけて着こなしている、
とても“今ドキ”な生徒さんたちでした。
初めに班のみんなに、興味のある仕事を聞いてみると、
女の子4人のうち、3人がなんと「ショップ店員」
理由を聞いてみると、「服が好きだから」
「接客が楽しそうだから」「オシャレに興味があるから」
とぼんやりした答えが返ってきました。
■
「おしゃれに携わる仕事でも、服を売るだけじゃなくて、
スタイリストやデザイン、流通、お店の経営など、
いろいろな仕事があるのに!!」
高校生が、普段買い物で話す店員さん。
働いている大人に接する機会が多くないから、
服といえばまっさきに、思い浮かんだのかもしれません。
「高校生たちがもっているあらゆる可能性を、
この90分間で広げてあげたい!」
そう思った加藤さんが、特に話をした生徒さんが、
ある金髪の女の子です。
■
外見と雰囲気におされて、大学生のキャストもなかなか
話しかけられなかったのか、初めはどの班にも
加われていなかった彼女・・・
「仕事なんて、考えたことない」と言い放つ彼女と
まずは仲良くなろうとした加藤さんは、
彼女が自己紹介で、「アルトリコーダーが得意」
と話してくれたのを拾って、
「えーー!すごいじゃん!!リコーダーって得意な曲は?」
と大きくリアクションをとったところ、「ショパン」と
ちょっとだけ得意そうな顔をしてくれました。
「ショパン!?って難しいんじゃないの!?
ひけるなんてすごくない!?」と、
ややオーバーなほど認めてあげたところ、嬉しそうな顔に。
彼女との信頼関係の1歩を踏めたようでした。
■
少し仲良くなれたな、と思っていたところで彼女から質問が。
「ようこさんって、仕事なにやってるの?」
「マナーの先生だよ」と答えた何気ない一言が、
彼女の興味に火をつけたようでした。
「なにそれ!キャリアウーマンみたいで、まじかっこいい!」
続きを聞いていくと、彼女は本当は“バリバリ働く”、
キャリアウーマンに憧れていたとのこと。
でも、「バリバリ働いている私」が何をしているのか?
その職業はわからないし、具体的なイメージも湧かない。
そんなマジメな話は、友達や先生にも言い出せなかったそうです。
―――――― ▼キャスト(ボランティア)の方へお知らせ ▼――――――
9/14よりキャスト専用サイトがオープンしました!
ご自身のマイページから開催企画を見たり、参加申し込みできます。
cast.katariba.net
cast.katariba.net/CastRegister
※ご質問は低引(そこびき)・藤沢まで cast@katariba.net
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■
「私だって、一緒だったよ!」
私も高校生の頃は茶髪にもしたし、服装も今よりは
派手だったし、それが今はマナーの先生だよ!
大学なんて行く必要ないんじゃないか?って思っていたし・・
そんな自分の体験を加藤さんが語りかけると、
「なんだ一緒じゃん!」と思ってくれた様子。
「この人には、本音を話していいんだ」
「将来のこと、考えてみようかな」
というモードになってくれたところで、
「仕事」がテーマのその授業。ちょうど配られていたのが、
さまざまな職業を高校生向けに解説した冊子です。
その冊子から、「興味ある職業を5つ選んでみよう」
という宿題を与えて、加藤さんは班の他のコと話を
する番に移りました。
■
しばらく時間がたって、彼女と話をする順番。
ちゃんと5つの職業を探してくれてました!!
彼女が出してくれたのは、「心理カウンセラー」や「学校の先生」
「経営コンサル」のほか、「デザイナー」など。
(※もう1つは、思い出せず・・・)
「さっきまでショップ店員になりたいと言ってたのに
いっぱいあるじゃん!」と声をかけると、
「うん、まあ」と嬉しそうな顔でした。
そうやって考えてくれた彼女の未来を、この授業だけに
終わらせず、行動に移してもらうために、
「じゃあ、5つの仕事をするにはどんな方法があるか?
夏休み中にまずは調べてみない?」
と提案すると、「わかった」と。
■
彼女は、親からも「大学なんて行かなくていい」
「お金がもったいない」と言われ、
将来のことを希望をもって考える機会が
ナカナカなかったようでした。
いつか仕事を選ぶときに、彼女が出す答え。
それが、「たとえ今回の授業で答えた5つの職業のなかに
入ってなかったとしても全然いいんです」
と加藤さんは話します。
「彼女が、まずは自分に自信をもってくれて、
いろんな未来があることを信じてくれれば、そして、
次への一歩を踏み出してくれれば、今回は成功。」
授業の終わりに、5つの仕事を調べるという“約束”を、
カードに書いて渡してあげると、
「私、これ財布に入れとこうっと」と
ちょっと恥ずかしそうに言ってくれた彼女。
「バイバイ」と名残惜しそうな目で挨拶してくれました。
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いかがでしたか?
これを読んで、「今度は私が!」と思った大学生の方。
もしいらっしゃれば嬉しいです!
「先輩」の一人として高校を訪問するボランティア
(キャスト)を募集しているので、ぜひ以下からご応募を。
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一方、「平日の授業には参加できない、社会人は?」
という質問もいただきます。
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“カタリ場”を届けられる、サポーター制度とは?
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<編集後記>
忙しさにかまけて、新聞にも目を通せてないうち(…)、
すっかり政権交代が起こってしまっておりました。
「新内閣のもとで、日本の教育行政はどこに向かうのか?」
気になりつつ、キャッチアップできていなかった
このテーマ。カタリバ大学からお届けします!
「これからの文部科学省」 鈴木寛さん登壇!
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10月8日(土)18:30~@高円寺。
よろしければお越しになってください!
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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/
【文責】 山内 悠太
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