プログラム
対象 | 中学1年生~高校3年生 |
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時間 | 2泊3日(※) |
場所 | 各訪問地域(※) |
生徒数 | 30~300名 |
スタッフ | スタッフ2~3名 |
教科 | 総合的な学習の時間、校外学習、研修旅行ほか |
課題先進地域を訪問し、実際に自分の目で見て、話を聞いて、グループで話し合うことから、日常に繋がる学びを生み出します。
このプログラムでは、課題先進地域を見てまわりながら、①相手の身になり(共感)、②感じたことを自らの言葉で伝え(発信)、③他者と価値観を共有する(対話)ことを学びます。また、グループでの話し合いを進めながら、日常に繋がる学びを生み出します。
課題先進地域を訪問します(例;被災地を見学し、震災体験者の話を聞きます)。
話を聞くだけではなく、感じたことを現地の大人や同世代のひとと語り合い、お互いの学びを深めます。
対話を通して感じたことを、その後の日常に繋げる行動目標に落とします。
被災地スタディツアーのプログラム例
74名の児童と、10名の教員が亡くなった大川小学校で、「あのとき、何があったのか?」を現地元教員がガイド
「なんで、たった1mも離れていないのに自分だけ助かったのか?」など語る地元の高校生たちと、被災地が直面している課題について考える
授業を導入いただいた先生方からは、「自分の意志を示すことが苦手だった生徒たちが、自分の言葉ではっきりと意見を述べられるようになった」という感想を多く頂きます。また、「段々とクラスが仲良くなってきた」という声や、学習意欲や授業態度、生活態度が明らかに変わった、という声も多数届いています。
山田 美奈都 先生
私立湘南学園高等学校
佐藤先生の授業後の座談会では、これまでにないほど活発なディスカッションがなされていました。自分の意見を主張するのが苦手な生徒たちが、自分の意見を、自分の言葉で語れるようになったことが、一番変わったと思います。また、同年代の高校生の話を聴いたのも、強く印象に残っているようです。「自分たちより1つ年下なのに、なぜあれほどまでに語れるのか」と、かなり刺激を受けていたようです。同年代ということもあってか打ち解けるスピードが速く、その後の語り合いでも、始終活発な意見が飛び交っていたのも大変印象的でした。 帰ってからも、東北にいったメンバーが段々仲良くなっていきました。以前は、グループを分けるのにもひと苦労だったのですが、事後学習で投げかけをした際、さっと近くで班を組んで話し合いをはじめるようになりました。また、生徒の主体性もあがり、自分たちが何をしたら良いのか、アイデアも多く生まれるようになりました。
▶ 先生方の声を見る授業を導入した先生の声
・「たのしかった」「ためになった」ではなく、徐々に自分の言葉で語れるようになっていた。
・教育旅行から帰った後も、生徒は‘自分たちはどう生きようか’を考えている。
・自分の意志を示すことが苦手だった生徒が、意見を述べられるようになった。これは、現地に行って課題に触れ、現地の方々と直接語り合う中で、自分の意見に自信を持つこと、自分の言葉で発信すること、主体的に動くことの大切さを学んだあらわれですね。
・以前は、グループに別れることや話し合いをすること自体に抵抗のあった生徒が、自然とグループに入れるようになった。
・教育旅行に参加したメンバーが、学校でも仲良くなってきた。
・過去のことではなく、答えがあるわけでもない。そんな問題を考えることに価値があると思った。
・教員側の問題だが、修学旅行の準備として、土地勘のない遠隔地とのやりとりに毎回苦労していたが、今回は現地に精通している担当者のおかげで、安心して準備・運営・安全管理等を任せることができ、大変助かった。
この旅行では、‘語り合い’を特に大切にしています。「同年代の高校生が、はっきりと自分の意見をぶつけてきた」「自分の意見が認められた」「共感できる考えがあった」など、生徒の感想にもあらわれているように、対話の重要性を学習する方法でプログラムを進めていきます。
事例紹介:防災の意識を変える「東北部」が学校内に発足(湘南学園高等学校)
教育旅行後に、「自分たちが出来ることをしたい!」と感じた生徒たちが、有志で「東北部」を結成しました。教育旅行に参加した50名のうち、半数を超える約30名が参加して、①学校の避難訓練を変える(行動班)、②自分たちが学んだことを伝える(語り継ぐ班) のふたつの目的のもとに現在は動いています。
行動班では、校長先生も含めた全ての先生に向けて、現状の避難訓練の問題点と、今後への改善策を提案する予定です。「地域の人も学校に避難してきた場合、屋上に人が入りきらないのではないか」「屋上まで津波が来る可能性がある場合、どう対処するのか」「停電で自動ドアが開かなくなった場合、どう対処するのか」などの議論がなされています。
語り継ぐ班では、教員の防災意識を変える講演会と、後輩たちに自分たちの学びを伝えるワークショップを企画しています。「先生だけではなく、事務室の職員さんや地域の人にも伝えていくべきではないか」「はじめは自分たちも震災を他人事だと捉えていた。意識が違う相手に、どう伝えていくか」などを議題に、試行錯誤しています。
授業を受けた生徒の感想
・「知識が増えたのもそうだが、教育旅行を通して、受け身ではなく主体的に動いていきたいと思った。」(高校2年生)
・「震災についてテレビではみていたけれど、そのときに感じたことと、実際に現地の人に会ってけ話を聞いた時の衝撃とは全然違った。」(高校2年生)
・「被災された方々は、3.11の後すぐに立ち直ろうと、自分ができることをひとり一人がやっていたんだと思い、私も、強い心を持てるようになりたいと思いました。」(高校1年生)
「教育旅行」プログラムは、2015年度に始まった新しいプログラムです。ご要望に合わせて、少しでもお役に立てる中学校、高等学校を募集しています。お気軽にお問合せください。
導入テーマ例
「課題発見・解決型学習」「リーダーシップ」「探究学習」「キャリア学習」「防災教育」 ほか
年間計画のなかでの活用例
春休みや夏休み、修学旅行等は、学校の外に出て「社会」に触れてみるチャンスです。「自分が参加しても、社会は変わらない」と答える日本の中学生・高校生が非常に多いと言われるなかで、現地に行き、現地の方々と語り合う中で、自分はどう生きたいのかについて考える機会のひとつとして、ご活用ください。「旅行後、学習意欲や生活態度が変わった」という声も、多数届いています。
実施高校 | 湘南学園高等学校 |
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実施時期 | 2年生の2学期 |
実施授業枠 | 研修旅行 |
能力目標の主眼 | 多様なテーマや生き方に触れることで、自らの生き方を見つめ直し、それを日常生活に活かす |