「対話のちから」第1講レポート
「対話のちから」第1講レポート 講師:電通パブリックリレーションズ 井上大輔さん
2019年11月23日。
全3回にわたってNPOカタリバが主催するイベント、「対話のちから」の第1講が開催された。講師は電通パブリックリレーションズの井上大輔さん。井上さんは企業の新製品発表会から謝罪会見まで、幅広い分野で人に伝えることを裏側から支えている。
井上さんをお招きして開催した第1講では、「ランチ会」をテーマに企画を練っていった。もちろん、参加者全員が企画作りが上手いわけでも経験が豊富なわけでもない。それぞれ皆、色んな分野で勉強をしている学生や大学院生だ。
そんなイベントは主催する認定特定非営利活動法人カタリバ(NPOカタリバ)の活動紹介から始まった。意欲と創造性を全ての10代に届けるためにはどんな課題があって、それに対して活動をしているのか。日本全国に広がるカタリバの活動に共通するのがこのイベントで扱う「対話」だ。
参加者の真剣な眼差しでスクリーンを見つめる学生、そこには独特の緊張感が流れていた。
そうして講師の井上さんのお話やワークが始まると表情が少しずつ変化していく。真剣な眼差しというよりか緊張していた様子だった参加者の表情がなんだか楽しみながらも真剣に考える表情に変化していった。それもそのはず。井上さんから与えられるテーマはそう簡単に考えて答えの出るものではない。己を知ることから始まるからだ。自分にはどんなバイアスがかかっているのか、動やったらかからないようにするのではなく、どんなバイアスがかかっているのかを理解する。
その後は、「ランチ会」というイベントを通してターゲットにどんな変化をもたらしたいかを考えた。ランチ会参加者に何をして欲しいのか、何をして欲しいのかを考える。ランチ会イベントのゴールを設定する作業だ。それができたらあとはひたすら企画を練る。どんな働きかけができたらそのゴールは達成できるのか、何がそのイベントで軸となるのか。考えに考え抜く。
大切なことは参加してくれる人の時間を使っているという視点。その人が趣味や買い物に使えて充実した1時間を過ごせたかもしれないその時間を使ってイベントを行うという視点。つまり、相手にとってはどんなメリットがあるのか、何があったら「こりゃいい」と思ってもらえるのか、どうやったらターゲットは参加してくれるのかを考える必要がある。
そうして考えに考え抜いた企画をシンプルかつキャッチーなフレーズなどで1枚のプレスリリースという形にまとめてグループごとに発表し、どのグループが1番面白そうな企画だったかを投票で決定した。
この第1講で大切な学びはどんなことも自分1人では完結しないということだ。特に、イベントのような参加者がいて初めて成立するようなものに関しては絶対に1人では完結しない。この事がどうして重要かというと、1人で完結しないからこそ、相手や相手の立場になって考えることが必要だからだ。普段生活していると、人はどうしても「相手」の存在を忘れがちである。どうしてこれをしてくれなかったんだろう。どうして言ってくれなかったんだろう。相手の存在をいつの間にか忘れてしまうと人は自分中心になってしまう。でも、少し考えれば相手にも相手なりの考えがあって、それをしなかったには理由があるはずなのである。そうして自分だけでなく相手の立場になって考えて、時に直接話をするここそが「対話」のきっかけなのではないだろうか。
そうして対話のちからを学び、知るだけでは不十分だ。それを実生活でアウトプットしてこそ知識は学びとなる。ゼミや研究室で、サークルで、「対話のちから」を実践するためのフィールドがたくさんある学生だからこそ、参加者がアウトプットを積極的にできるようなコミュニティ作りに挑戦していきたい。
そんな「対話のちから」第2講は12月21日、第3講は1月12日に開催されます。お申込みはこちらから。
(文責:カタリ場事業部インターン 上野)