「ゴールはここじゃない!~高校生が考えたコトvol.3」川崎ワカモノ未来PROJECT最終回

2019.3.22 お知らせ

認定NPO法人カタリバは、高校生や若者の「やってみたい」を応援しています。

そこで神奈川県川崎市と共に、3年前から取り組んでいるのが、高校生が川崎のまちを舞台に、自分でプロジェクトを企画し実行する「川崎ワカモノ未来PROJECT」(以下カワプロ)です。

今年度のカワプロの模様をお知らせするブログもいよいよフィナーレ!

最後の5人、だいき・かいと・ももこ・ひーちゃん・はがちゃんの発表と、各賞の発表・懇親会の模様です!

 

▼だいき

【学校嫌いな人も楽しい目的を見つける「自由で楽しい学校の場所づくり」】

だいきは都内在住の高校三年生。学校のグラウンドや体育館を運動部が占有していて、運動部以外の生徒が使えないという現状を変えたいと考えました。

もっと多くの生徒に開放されたら、遊ぶ・寝る・映画を上映するなど楽しくなるし、今学校が嫌いな子が好きになるきっかけがつくれるかもしれない。そう考えて調べてみたら、川崎市内では学校体育施設の開放の取り組みがすでに進んでいると分かりました。
この素晴らしい取り組みを広く発信したい、そのためにはSNSではなく、実際に顔を合わせて情報交換ができる地域のコミュニティを活性化することが必要と語りました。
キックオフ当日は不安も大きかっただいきですが、発表当日は「ここで終わりではないし、通過点なのだから楽しみます」と堂々とした発表を見せてくれました。

▼かいと
【ゲームを通じていろんな人と交流したい!「ゲームでコミュニケーションをとろう」】

高校3年生のかいとは、とにかくゲームが大好き。大人から「目が悪くなる」「学力が下がる」などゲームに対するマイナスイメージばかりが発信されることに疑問を感じ、コミュニケーションツール・ストレス発散ツールとしてのゲームのすばらしさを伝えたいと考えました。

たとえば「ポケモンGo」は多世代に親しまれているし、海外でも高い人気を獲得しています。これを各種イベントの一部に組み込むことで、イベントは盛り上がるし、多世代交流・国際交流も可能になると語りました。
自分の思いだけでは説得力がないと感じ、カワプロの仲間と実際に川崎駅周辺でポケモンGoをやってみるというフィールドワークを実施。得点の集計方法・形式(自由散策なのかスタンプラリーなのか)についての課題に気づくことができました。

▼ももこ

【地元の絆を深める!「拠ミュニティ 呼ミュニケーション」】

市内在住の高校1年生のももこは、子どもたちが保護者から「知らない人にあいさつされたら逃げなさい」などと教えられ、どんどん地域の繋がりが失われていることに寂しさを感じ、もっと同世代・他世代との交流を深めたいと考えました。
多世代の地域住民が顔を合わせられるタイミングとして「防災対策を話し合う場」を想定。
自治会・子ども会・消防署が連携することにもなり、地域に住む「知らない人」を「知ってる人」に変えることができると動画で発表しました。生徒会活動で忙しい合間を縫ってカワプロcaféにも参加し、caféに参加できないときには一人で発表内容をまとめるなど、コツコツした努力を重ねた上での発表でした。

▼ひーちゃん

【好きや居場所、進路への気づきを見つける「はじめての演劇(いばしょ)」】

今年のカワプロに一番最初に申し込んだのはひーちゃんでした。

昨年参加のにっしーに誘われての参加でした。自分が悩んでいたときに演劇からヒントをもらったことから、同じように今悩んでいる子たちに、演劇を通じて居場所を提供したり、これから進む道について考えるチャンスのある場を作ったりしたいと考えました。
プロジェクトを進める過程で、カワプロの仲間からたくさん褒められることが嬉しいと感じ、その向こう側にある「お父さんお母さんから褒められたい」という自分の気持ちに気づくことができた、とも語りました。大学生メンターと演劇を観に行ったり、居場所づくりを実践している場に参加したりと行動力の高さが光りました。

▼はがちゃん

【地元の区の魅力に気づいてもらう!「色でみる川崎7区の魅力」】

川崎在住のはがちゃんは、市内7区それぞれにテーマカラーを設定し、その色と共に自分の地域に愛着をもってもらう活動を企画しました。

スポーツのチームがそれぞれの「チームカラー」を持ち、サポーターがその色を大切にするように、色が地域に対する愛着を深めるきっかけになるはずと考えました。
独断で色を決めていくことの難しさを感じながらも、アンケートを実施して区ごとの魅力を理解し、それを基に伝統色の中から3色ずつを各区に設定していきました。キックオフから定期的に開催されたカワプロcaféの中で交流が深まり、尊敬できる仲間と出会えたこともプロジェクトに取り組んだ収穫と語りました。

▼川崎市賞、ベストプロジェクト賞決定

3つのブースから各2プロジェクト、合計6プロジェクトが選出されて、第2部へ。
福田紀彦川崎市長も加わって、ゲストメンター・来場者全員を前に、壇上から発表を行いました。

そして、別室でのゲストメンター間での意見交換があり、最も川崎を盛り上げてくれる企画に「川崎市賞」、現時点で最も「カワプロ」を体現している企画に「ベストプロジェクト賞」が贈られました。
☆川崎市賞☆
まこと:女子高生同士で安心できる場所「女子高生の大衆居酒屋」
☆ベストプロジェクト賞☆
ふき:映画・ドラマの上映でLGBTへの理解を深める 「当たり前の自分を伝えよう」

この他にも運営から、この2か月間の取り組みをたたえる賞が一人一人に贈られました。

▼ここがゴールではなく

賞の発表の後は高校生たちも別室に移動し、大学生メンターも一緒に振り返りの時間。発表を終えてのそれぞれの気持ちを全員で共有しました。
その中から「(賞を逃して)悔しい」という言葉が出ました。
それに対して運営チームのリーダー米田から、「カワプロ」というプロジェクトに込められた思いが語られました。

――――
悔しいってことはそれくらいそのプロセスに本気で取り組んできたって証で、

だからこそ悔しいと感じてるなら悔しい気持ちをそのまま、きれいごとにせずに感じ尽くしてほしい。

 

「ハナサク」に込めた想いは、今日花を咲かせる日ということではなくて、

桜が来年も再来年も芽吹いて花を咲かせて葉が茂って冬を越えてまた再来年もまたその先も鮮やかな彩りを見せてくれるように、
今日感じた気持ちをはじまりにまた花を咲かせるときに向かってみんな進んでいくんだ〜みたいな意味で、
悔しいと感じたことに向き合ってほしいと思っています。
――――
全員の振り返りの言葉の後は、お菓子とジュースでパーティ。


2か月前に初対面だった高校生・大学生が、ひとつのコミュニティとなり、お互いを励まし支えあう関係となっていました。

確かに「カワプロ」は「花を咲かせる」のではなく、「種を播き、芽吹かせる」プロジェクトと言えるかもしれません。

ここで生まれた小さな芽がどんなふうに育ち、どんな花が咲くのかを楽しみに待つことにしましょう!

 

▶︎Vol.1 ヒラメキLabの様子はこちらから

▼これまでのブログはこちらから
「アクションから学んでみた!~高校生が考えたコトvol.2」川崎ワカモノ未来PROJECT⑭
https://www.katariba.net/news/2019/03/24318/

「カワサキを変える!カワサキから変わる!~高校生が考えたコトvol.1」川崎ワカモノ未来PROJECT⑬
https://www.katariba.net/news/2019/02/24291/

「プロジェクトの進化・深化を発表!」川崎ワカモノ未来PROJECT⑫
https://www.katariba.net/news/2019/02/24236/

「アクションの成果発表に向けて」川崎ワカモノ未来PROJECT⑪
https://www.katariba.net/news/2019/01/24216/

「マイ(my)からアワー(our)へと進む」川崎ワカモノ未来PROJECT⑩
https://www.katariba.net/news/2019/01/24154/

「自分だけのプロジェクト、始動!」川崎ワカモノ未来PROJECT⑨
https://www.katariba.net/news/2018/12/24102/

「自分の中の声を形に」川崎ワカモノ未来PROJECT⑧
https://www.katariba.net/news/2018/12/24076/

「お互いを知る~緊張を乗り越えて」川崎ワカモノ未来PROJECT⑦
https://www.katariba.net/news/2018/11/24046/

「自分自身の想像を越える成長がある」川崎ワカモノ未来PROJECT⑥
https://www.katariba.net/news/2018/11/24024/

「活躍の場を提供したい~地域の大人が支える」川崎ワカモノ未来PROJECT⑤
https://www.katariba.net/news/2018/10/23970/

「今年はもっとサイコーなPROJECTにしたい~カワプロ卒業生の思い」川崎ワカモノ未来PROJECT④
https://www.katariba.net/news/2018/10/23949/

「関わる人すべてに力をくれる場」川崎ワカモノ未来PROJECT③
https://www.katariba.net/news/2018/10/23925/

「きっかけをもらう側から創り出す側へ」川崎ワカモノ未来PROJECT②
https://www.katariba.net/news/2018/09/23872/
「高校生が主役になれる街に」川崎ワカモノ未来PROJECT①
https://www.katariba.net/news/2018/09/23776/

【寄付募集中】高校生に「カタリ場」を届けるための費用が不足しています

生徒の将来のために「カタリ場」を導入したくても予算の問題で断念する学校も。1,000円で1人の生徒に授業を届けられます。高校生の未来を支えるため、応援のほどお願いいたします!

【学生の方へ】高校で出張授業を行う教育ボランティア募集中!

高校生と将来について考える授業「カタリ場」を届ける仲間を募集中です。教育現場で新しいチャレンジをしたい方、お待ちしています!