「活躍の場を提供したい~地域の大人が支える」川崎ワカモノ未来PROJECT⑤
認定NPO法人カタリバは、高校生や若者の「やってみたい」を応援しています。
そこで、神奈川県川崎市と共に、3年前から取り組んでいるのが、高校生が川崎のまちを舞台に、自分でプロジェクトを企画し実行する「川崎ワカモノ未来PROJECT」(以下カワプロ)です。
行政(川崎市)と高校生、大学生メンターが同じ舞台に上がるカワプロですが、もう一方の重要な担い手として「地域(地元川崎)の大人」があります。
プロジェクトを立ち上げた高校生が地域の大人と出会って、サポートを得て、まちの中で実際に動き始めるケースもあります。
石井秀和さん。カワプロ初年度から地元川崎の大人として関わってくださっています。
江戸時代から続く農家の本家に生まれ、幼児期は「『みんなが知っている家』だということが嫌だった」という石井さんですが、今は地域の第一線で活躍しています。
一昨年(2016)のカワプロで、話すことの奥深さ・楽しさを伝える「声でツナグ」というプロジェクトを立ち上げた高校生の水谷涼香さん(現カワプロ運営スタッフ)と出会い、プロジェクト実現のサポーター・良き相談役として、水谷さんを支えています。
今年10月には、水谷さんと友人たちのグループ「まるラジ」と石井さんが共同で企画デザインしたラジオ収録スタジオがオープンしました。
ラジオ収録スタジオは、川崎市の南武線武蔵新城駅前にリニューアルオープンしたカフェ兼古本販売店「Book&Café stand Shinjo Gekijo」の一角にあります。石井さんがオーナーを務めるこの店舗は、地域に開かれたコミュニティスペースとしても活用されています。
水谷さんをはじめとしてカワプロ参加高校生のプロジェクトに多方面から協力を惜しまない石井さんに、地域とカワプロとの関わりについて聞きました。
【1年目から関わってこられましたが、最初カワプロの企画を聞いたときは、どう思われましたか?】
街のことに取り組み始めた時期でしたね。周りではお母さんが動き始めていたんですけど、若い子達はなかなか出てきていなかった。いろんなことやれる子というか、自分がやってみたいコンテンツを持ってる子、プレイヤーというのかな。高校生のアクションが生まれたら、すごくいいことだなと思ったのが一番最初の印象かな。
【「カフェ(Shinjo Gekijo)の中にラジオ収録スタジオができる」と聞くと、「高校生の思い付きから始まった夢が実現した」とも見えますが、そこまで踏み切られた、一番大きな理由はなんでしたか?】
若い子たちが活動の中に加わってくれることを期待していたので、実現可能性が高いなと思ったんですよ。自分が若い子を1人ずつ捕まえていくよりは、すずちゃんみたいに自分のやりたい活動をやってもらって、その関連で若い子が入ってくる方が良いなと思いました。
今、新城で8月にオープンした「Book&Café stand Shinjo Gekijo」もイメージをそこに持っています。ある年代のコミュニティを作りたかったら、それに該当する年代が率先して動かなきゃダメだろうなと思っているんです。
だから、若い子たちのコミュニティを作るとしたら40代のおじさんが頑張っていても無理だから、若い子にチャンスを与えて頑張ってもらって、その背中を地域の人たちに見てもらう。その方法の方が、人が集まってくるんじゃないかなと思っています。
高校生や大学生たちに自己表現してもらったことで、それに近い価値観を持った子達が集まってくるはずだってね。
サポートしながら、高校生に合ったプロジェクトの進め方を見つけられればと思っています。
【「カワプロ」は地域にとってどのような意味のあるプロジェクトだと思いますか?】
今、川崎で活動してる大人たちはそれなりに多いと思うんです。その人たちと絡みながら、僕(石井さん)とすずちゃんみたいな、サポートできる関係性が生まれれば、地域で活動する子がいっぱい出てくるはずだと思っています。
だから見にきてくれる人や企画の実現を支援してくれる人を呼んでカワプロがもっと盛り上がるといいよね。
高校生が自分のプロジェクトを始めるにあたっては、まず「川崎という街をフィールドにして」という命題を与えているよね。
内容によっては川崎を飛び越えて起こしていくアクションになる可能性も高いけれど、一番最初のスタートは川崎の中で自分が何ができるか考えようよ、ということだと思う。
そうすると、自分と近い考えを持ってる大人がちゃんと組み合わさることで実現可能性が高くなると思うし、仮に全国に羽ばたいていったとしても、川崎をスタートの地として忘れないと思うんだよね。
だからそうやって地域の大人と繋がることで、高校生大学生が活動していく場の提供としてはすごくいいことになっていくと思います。
カワプロの2年間をみつめ続けてきた石井さん。
3年目の今年についても、参加した高校生と一緒に何かやりたいという気持ちがあると言います。
「ここでの取り組みが、市内全体に派生的に広がったら面白い」
地域のあたたかい手が、高校生のプロジェクトを力強く支えようとしてくれています。
川崎のまちをもっと好きになって、自分もみんなも笑顔にできるステージをつくるために一緒にアクションを起こしてくれる高校生、集まれ!参加者募集中
「Vol .1ヒラメキLab(アイデアソン)」
■開催日時:2018年11月23日(金曜・祝日)10:00~18:15
■会場:PASAR BASE(セシーズイシイ7)
JR南武線 武蔵新城駅北口徒歩3分
■対象:川崎市に関心がある・まちづくりに興味がある高校生
■募集人数:30人程度(先着順)
■参加費:無料
■お申し込みはこちらから
■問い合わせ先:
【川崎市】
TEL:044-200-2094(平日8:30〜17:15)
E-mail:25kyodo●city.kawasaki.jp
【NPOカタリバ】
TEL:03-5327-5667(平日10:00〜17:30)
E-mail:katariba-blab●katariba.net
※メールアドレスの●を@に変えて送ってください。
【バックナンバー】
「今年はもっとサイコーなPROJECTにしたい~カワプロ卒業生の思い」川崎ワカモノ未来PROJECT④
https://www.katariba.net/news/2018/10/23949/
「関わる人すべてに力をくれる場」川崎ワカモノ未来PROJECT③
https://www.katariba.net/news/2018/10/23925/
「きっかけをもらう側から創り出す側へ」川崎ワカモノ未来PROJECT②
https://www.katariba.net/news/2018/09/23872/
「高校生が主役になれる街に」川崎ワカモノ未来PROJECT①
https://www.katariba.net/news/2018/09/23776/