【メルマガ】「復興に向け、今度は私がみんなを笑顔にしたい」

こんにちは、NPOカタリバ山内です。

あっという間に年の瀬ですね。今年最後のメルマガ、お届けいたします。

さて、「大槌臨学舎」は今月で“1周年”を迎えました

モノもノウハウもない中、手探りでスタートした1年前。

ご寄付をいただいた皆様、全国各地から学習サポーターとして
参加してくれたボランティア・スタッフの皆さん、
保護者の皆様はじめ大槌町民の方々、学校の先生方、そして生徒たち。

たくさんの方々と力を合わせて、大槌臨学舎は
無事に“1歳”をむかえることができました。

= = = = =

そして迎えた2012年度。この“中学の部”を卒業してから、
「私たちも、町の復興のためにできることをしたい!」と、
それぞれのフィールドで行動を始めた高校1年生たちがいます。

今号でお伝えするのは、“写真”を通じて「復興に向け、
今度は私がみんなを笑顔にしたい」と話す生徒の事例です。

「『撮る。私とみんなのために』

  人付き合いが苦手で、中学時代は一時、教室にも
  入れなかった岩手県大槌町の女子高生が、
  東日本大震災後の故郷の撮影を続けている。

  写真を通じて様々な人と出会ううちに積極的になり、
  今は『伝えることを通じて復興の役に立ちたい』と意気込んでいる。」

 12月2日、大槌臨学舎に通う生徒へのインタビューが、
 朝日新聞に掲載されました

 高校1年生の釜石望鈴さんです。

 震災時には、家が高台にあったため難を逃れたという彼女。

 家族で助け合いながら、精神的につらい時期に、
 「何かできることをやってみよう」と始めたのが、町の撮影でした。

 震災の記録を残しておこうと、かつて祖父が使っていた
 フィルム式の一眼レフカメラを被災直後にたまたま見つけたのを
 きっかけに、流された住宅地や海岸沿いを撮り続けたり、
 「Never give up!」と題した写真付きの新聞を作成したり。

 一面のガレキが広る自宅前から、
 倒壊した防波堤など崩れた町の変貌も、
 毎月11日に写し続けてきました。

 食堂で働く女性や仮説住宅の子どもたちにもレンズを向けるなかで、
 写真を通じて、いろいろな人たちと話をするようになります。

 中学3年生の冬。受験生になったのを機に、
 大槌臨学舎に通い始めた望鈴さんに、
 この写真を通じて、新たな出会いが生まれます。

 フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんが主催する
 カンボジア・スタディツアーを、臨学舎スタッフが紹介。
 無料枠3人のうちの1人に選ばれ、今年の夏休みに参加したのです。

 「カンボジアの人々は輝く笑顔で笑っていた。

  なぜこんなにも笑顔なのか?毎日毎日生きることに必死で...
  私だったら辛くて笑うこともできなくなりそう。

  でも、震災当時を思い出すと、やはり周りにはみんながいるから、
  家族がいるから、1人じゃないと思ったから、
  笑うことができた気がする」

 帰国後に書いたレポートで、想いを綴っていた望鈴さん。

 「今、何をしたいのかはっきりわからないけれど、
  大槌の復興に携わりながら、自分の道をみつけ、
  もっと成長してもう一度カンボジアに行きたいです」

 これまで経験しなかった外の世界に触れることで、
 改めて地元大槌の復興への思いを強くします。

 (出典:大槌みらい新聞「私を変えた運命のカメラ」

 「震災後、私は周囲に支えられて笑顔になれた。
  復興に向け、今度は私がみんなを笑顔にしたい」

 このような想いを抱くようになった望鈴さんは今、
 高校に通いながら週2回、大槌臨学舎の運営を手伝ってくれています。

 その1つとして、臨学舎の日常を発信しようと、
 Webサイトのブログのなかで、「高校生レポート」を書き始めました

 「これから、高校生の視点でコラボ・スクールについて
  ブログを書いていきます。よろしくお願いします!(^^)/」

 10月中旬から、これまで6つの記事を書いてきました。

 「大槌町の復興のため、自分ができることをしたい」
 「今度は自分たちが支援する側にまわりたい」

 臨学舎「中学の部」を卒業した高校1年生のなかには、
 このような想いを抱く生徒が生まれてきています。

 「でも、具体的にどんな行動をすればよいのかわからない・・」と
 足踏みしていた生徒たちのなかで、希望者は「MY PROJECT」を設定。

 それぞれチームに分かれて、ゴミを拾ったり、
 お年寄りの介護施設を訪れて手伝いをしたり、という
 プロジェクト学習に取り組んでいます。

 同級生のプロジェクト・メンバーが行動する様子を、
 望鈴さんが写真に収め、ブログで発信しています。

 ・老人介護施設「らふたぁヒルズ」編
 ・ごみ拾い編

 つい1週間ほど前に臨学舎で開かれた
 「MY PROJECT」ミーティングでは、
 望鈴さんからこんな声が上がっていたそうです。

 「実際に撮ってみたら、自分も撮ってほしいという声がたくさんあった。」

 「町を離れていった人たち、ボランティアで訪れた人たちに
  町を思い出してもらうきっかけになれば。」

 現地職員によると、「お年寄り一人ひとりのストーリーに、
 笑顔の写真を合わせて、本を創れたら!」という壮大な話まで、
 飛び出すようなブレストだったそうです。

 「私の写真を見て、町のみんなが地元の復興に力を
  注ごうと思ってもらえると嬉しい」

 大槌の“100人の笑顔を撮る!”という夢に向けて、
 望鈴さんはカメラを構え続けています。

 ※本メルマガの内容を、写真付きでFacebookにアップしています
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<編集後記>

前号でお知らせした「サポーター」(月1000円~の継続寄付)、
メルマガの読者の皆様からも、何人かからお申込をいただきました。

そして先日・・400人目の方からサポーターにお申込みが!

教育への志をともにする、たくさんの方からの想いを集めて、
来年も被災地の子どもたち、全国の高校生に授業を届けていきたいと思います。

サポーターはじめご支援者の皆様、ボランティア・スタッフ(キャスト)や
学校の先生方など、これまで関わっていただいた方も、
温かくお見守りくださった方も、本年は大変お世話になりました。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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