【メルマガ】2005年冬。カタリバの事務所が、教室の狭い一角にあった頃の話からです
こんにちは、NPOカタリバ山内です。
はじめに、とても嬉しかったニュースからお伝えいたします。
前々号で投票のお願いをさせていただいた
「いいね!JAPAN ソーシャルアワード」、約280の応募団体のなかで、
最優秀ソーシャルプロジェクトを受賞することができました!
http://www.collabo-school.net/?p=6122
最終選考を決めたのは、Facebookによる一般投票の得票数。
ご投票いただいた方、本当にありがとうございました!
東北の子どもたちに学びの場を届けられているのは、
読者の皆さまはじめ、たくさんの方々の力が
合わさっているから、ということを改めて実感した出来事でした。
= = = = = = =
さて今回のテーマは、カタリ場の「先輩の話」です。
カタリ場は、大学生の初年次教育でも導入頂くことがあるのですが、
社会人の“サンプル”として、私も話をしたことがあります。
大変恥ずかしながら、皆さまにも共有させてください!
今は職員として勤めている私ですが、カタリバとの出会いは8年前。
大学生のボランティア(キャスト)として、参加していました。
卒業した後は、サポーター(賛助会員 ※下記)として支援しながらも、
( http://www.katariba.net/donation/9370.html )
7年半、民間企業でサラリーマンをしていました。
そんな安定した生活を急変、会社を「えいや!」と辞めて、
カタリバに戻ってきたのは2011年の夏。
学生時代に創業者から聞いた、“あるエピソード”
が忘れられなかったからでした。
■
「この人たちは、普段は何をしているんだろう?」
2005年冬、NPOカタリバが事務所を間借りしていたのは、
六本木にあった中学校跡、教室の狭い一角。
その場にボランティアで集まった、たくさんの大学生たちと一緒に
授業を創り上げていくのが楽しくて仕方なかったその頃、
大学生の活動を支えてくれている、2人の社会人がいました。
創業メンバーの、今村久美と三箇山優花です。
「NPO」=「ボランティア」?
そんな単純な図式しか頭になかった私に浮かんだのが、
冒頭の疑問でした。思い切って尋ねてみることに。
返ってきたのが、「バイトをしている日も、あるんだ・・」
という答えでした。
■
今でこそ事業収入や寄付、行政委託などで専任の職員を
雇用できるようになりましたが、当時は無料でも授業を行うケースも。
寄付を集めるのも、まだ難しい状況でした。
カタリバの仕事だけでは十分な収入を得ることは難しく、
アルバイトをして生計を立てていた、というのです。
「こんなに『良いこと』をやってるのに、
なんで活動に専念できないんだろう!?おかしい!」
世間を何も知らないながらに、義憤を感じたものの、
その状況を変えられる力を持っている訳ではない・・・
「いつか社会で力をつけて、カタリバのために何かしたい・・!」
そんなことを思いながらも卒業して、
まわりと同じように就職をしていきました。
■
新卒で入ったのは、ある大手電機メーカーでした。
入社する前はきちんと知らなかったけど、
すごくいいものを創ってる会社だったんです!
たとえば“充電池”といって、使い捨てせずにくり返し使えるので
環境に良い電池。私の仕事は、広報やCSR(社会貢献)として、
小学校を訪問して電池や環境について教えることでした。
会社全体でも、「地球環境に良いものをつくろう!」
というビジョンを掲げて、頑張っていました。
ところが、会社は儲かっていなかった・・・
入社した年に、なんと約2300億円の赤字!
経営陣の交代、事業の売却、雇用の調整・・
「会社が赤字のときに、社会貢献なんて・・」
そんな冷たい視線を痛いように感じながら働くなかで、
気づいたことがありました。
「どんなにいいことをしても、良いモノをつくっても、
お金がしっかり回っていく仕組みがないと、ダメなんだ」
■
開発や製造の現場の人たちは、高い技術をもって、
真面目にコツコツと頑張っていました。
でも、せっかく良いものを作っても、売れない。
売れている商品も、事業としては儲かっていない・・・
そんな現状を見ながら、でも何もできない自分に、
大きな無力感を抱いたのです・・・
「じゃあ、お金を稼げるようになるためには、
どうすればいいんだろう?」
たとえば「営業」や「金融」。いろいろと浮かぶなかで、
私が惹かれたのは「マーケティング」、つまり“売れる仕組み”をつくること。
ビジネスの世界で、このマーケティングを究めて、
「教育」や「NPO」の世界に戻ってこようと決めたんです。
「そうしたら、いつかカタリバに恩返しできるかもしれない!」
という思いを胸にしまいながら。
■
そんなこんなで、社会人3年目。転職をしました。
ベンチャーの広告代理店です。
そこでは、むちゃくちゃ働きました!
会社から歩いて2分にアパートを借りて、朝から夜中まで。
会社の売上も、3年間で2倍近くにアップ!
ベンチャーだから出世も早くて、給料もだんだん上がっていきました。
自由に働かせてもらって、仕事はとても楽しかった。
社員も若い人が多くて、みんな仲良くて、
一緒にテニスしたり、ラフティングに遊びに行ったり。
そうしたら居心地が良くて、いつの間にか忘れてたんです。
「いつか教育に、NPOに戻るんだ!」ということを。
「もう少し力を着けてから」「まだ学べることはある」
とか自分に言い訳しながら、でも心はモヤモヤ・・・
「僕は、いつまで“修行中”を続けるんだ・・?」
■
そんなときに訪れたのが、2011年3月11日。
東日本大震災でした。
「被災地のために、自分も何かしなければ!」と思ったのもあったけど、
一番の衝撃は、津波の映像を見てしまったこと。
もし同じことが東京に起こったら、
明日にも死んでしまうかもしれない・・・
「何が起こるかわからない人生で、やりたいことを
先延ばしにするのはイヤだ!」と強烈に感じたんです。
ちょうど思い出したのは、スティーブ・ジョブズ氏が、
あるコーラ会社の役員をスカウトしたとき、放った言葉でした。
「おまえは一生このまま、砂糖水を売り続けたいのか?
それとも、世界を変えるチャンスをつかみたいのか?」
■
そんな2011年の春、カタリバはコラボ・スクールを
立ち上げようとしていました。
5月。寄付者向けの報告会で、「広報・ファンドレイジングの
担当者を探している」と、声をかけてもらいます。
大好きだったカタリバが、飛躍しようと今転機にあること。
これまで修行した専門性を生かして、貢献できる場所があること。
お世話になった方に声をかけてもらい、慕っていた方に恩返しできる。
学生時代に一緒にやって、社会に出てまた戻ってきた仲間もいる。
会社を辞めてNPOで働くことに不安もたくさんあったけど、
「このタイミングしかない!」と思いこみました。
えいや!と飛びこんでしまえば、意外となんとかなるものでした(笑)
今は、前の会社で学んだ「マーケティング」を使って、
たくさんの人にカタリバのことを知ってもらい、共感してもらって、
志をともにする方から寄付を募る仕事をしています。
= = = = = = =
と・・・こんな話を大学生にさせていただきました(汗)
最後に大学生に、“僕がこの体験から学んだこと”として伝えたのが、
「心の声に正直に!」「でも、遠回りをしてプロとしての力を
身につける方法もある」の2つです。
そして社会人の方、これまでメルマガを
読んでくださっていた方にお願いしたいことがあります。
NPOカタリバの志に共感いただけた方は、どうか
サポーター(賛助会員)として、ご支援いただけないでしょうか?
【サポーター 詳細・お申込】
http://www.katariba.net/donation/9370.html
今から11年前。東京の片隅、創業者2人で始めた
ささやかなチャレンジでしたが、一緒に活動する仲間や、
応援してくれる人がだんだんと増えました。
このカタリバの活動を、“お金”と“気持ち”で支援して
くださっているのが、サポーター(賛助会員)の皆様です。
より良い社会を目指す道のりを、仲間として
あなたもご一緒に歩んでいきませんか?
【 1日33円~で、カタリバを応援ください! 】
あなたの1000円/月が、子ども・若者の「未来」を創る。
サポーター募集中です。サポーターの皆様、ありがとうございます。
http://www.katariba.net/donation/9370.html
“社会に良いこと”がサステナブルに行われる仕組み、
子ども・若者に、授業が安定的に届けられる体制を、
皆さまと一緒に、創っていきたいと思っております!
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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
【文責】 山内 悠太
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