【メルマガ】 生徒さんへ“等身大の自分”を見せるということ

こんにちは、NPOカタリバ山内です。

暑さが続いていますが、いかがお過ごしですか?

お盆はカタリバでも、夏休みをいただくスタッフが多く、
高円寺の事務所は、いつもより静かです。

前号では、カタリ場の「首都圏教育ボランティア」、
第1期生 本村ももさんが、初めての授業で
生徒さんと結んだ「約束」について書きました。

その後、彼女が17の授業現場をまわるなかで、
体験した生徒とのコミュニケーションについて。

今号では、続編をお届けします。

<首都圏教育ボランティア 第2期生・募集(〜8/24)>
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 初めての授業で、生徒さんとよい形で
 「約束」を結べた本村さん。
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 元々「人見知りしない性格」だったという彼女は、
 その後の授業でも、高校生と話していくなかで
 「仲良くなる」ことは、安定的にできるようになります。

 けれど、生徒さんの“背中を押す”ような
 納得のいく「約束」までは、なかなかたどり着けない・・

 そんななかで、生徒さんと心を通わせるために
 大事だとつかんでいったのは、
 「自分をどれだけ出せるか?」
 
 すなわち、「私はこんなことに悩んでいたよ」
 「こうやって進路を決めたんだ」など、
 生徒さんへ“等身大の自分”を見せることでした。 

 中学から中高一貫の私立に通い、
 「のんびり過ごしていた」という本村さん。
 
 個性を大事にする校風だから、音楽でもスポーツでも、
 好きなことに熱中していた同級生たちが多くて、
 でも、やりたいことを見つけられなくて、
 「ぼんやりしていた」彼女。

 テストもいつも平均点。
 「もうちょっとやる気出そうよ」
 そう先生に言われても、やる気の出し方がわからない・・

 「なんでみんな頑張るんだろう?
  頑張るってどうやるんだろう?」

 周りとのギャップに、悩んでいたそうです。

 そんなとき、親御さんの仕事で南アフリカへの赴任が決まり、
 「自身も一緒にいくか?」の判断を迫られます。

 「もしこのまま、日本で高校に進んだらダメになる。
 頑張り方をみつけられない。」

 日本に残った場合の、未来の自分を想像して
 危機感を初めて抱いた彼女。

 南アフリカの高校に進むことを決めます。

 「すごく怖かった」

 行く前に想像していたとおり、現地の高校に通い始めると、
 英語ができないために、先生から頭が悪いと思われたり、
 皆の前で怒鳴られたり、時には涙が出てきたこともあったそう。

 そんな厳しい環境のなか勉強を重ねて、
 「だんだんできることが増えていった」本村さん。

 英語の成績も上がって、平均点をとれるように、
 成績が伸びた生徒がもらえる賞ももらい、
 皆の前でスピーチもできるようにもなりました。

 高校生活を振り返ってみて、気づきます。

 「あれ、私、頑張ってるな」

 それまでは余裕がなくて、結果が出てないから
 無我夢中で、認めてもらい始めてから、
 「頑張るってこういうことなんだ!」と。

 「南アフリカに行くのは、自分で決めたこと。
  だから、泣き言も言えないし、必死で過ごしてた。

  私の場合は、自分で決めたことじゃないと、
  本気になれなかった。」

 そんな経験を、授業に臨むなかで振り返り、
 “棚卸し”していった彼女。

 「先輩の話」という紙芝居形式のプレゼンテーションで
 伝えたり、時には生徒さんとの会話のなかで
 散りばめたりしていきます。

「やりたいことがあって、迷ってたけど、
  自分で決めたら頑張れる。

 韓国に留学したい。本当に行ってきます。
 向こうで揉まれてきます!」

 本村さんの話を聞いた女子生徒からは、
 こんな嬉しい決意をもらったり。

「親が2人とも先生で、先生になれって言われるから、
 先生になりたい。学校の先生はラクそうだし。
 とりあえず○○大を受けるけど、今の成績じゃ厳しいかな・・」

 そんなことを、半ば投げやりに話す男子生徒には、
 「それ、本当にがんばれるの?」
 「今みたいに、1日30分しか勉強しないままで、受かるの?」
 と厳しい言葉を投げかけつつ、

 彼が「実は物理とか興味があって、科学者にもなりたくって」
 と話してくれた進路の可能性を、一緒に探っていったり。

 そんな風に、“自己開示”をしながら、生徒さんの話を聞く。

 たとえコミュニケーションがとりづらい生徒さんでも、
 「違うから」とあきらめるのではなくて、
 知らないことには興味をもって、共通点を探す。

 そのうえで、時にはほめたり、
 「違っても私は受け入れるよ」と示したり、
 といったスキルを身に着けています。

 インタビューの最後で、14回目の授業で結んだ、
 印象的な約束を教えてもらいました。

 小さな頃に読んだマンガに憧れて、
 「パン職人になりたい」と思い続けている男の子。

 「でも、そんなのヘンでしょ・・」

 自分の夢に自信をもてず、半ば不安そうに答えた彼に、
 本村さんが返した言葉です。

 
「そういう風に思えたのは、何かあるんだよ。
 “好き”とか“いいな”とか、自分の個性。
  決めるとき、自分の直感って、意外に信じていいんだよ」

 でも、本当にその道に進んでいいのか自信がないし、
 どうやって進めばいいのかわからない・・・

 そんな彼との会話で出た、
 「パンづくりのオリンピックで、優勝した日本人がいる」
 という話をヒントに結んだ約束は、

 「じゃあ、まずは、その人の経歴を調べてみよう!」
 でした。
 

 「どんな高校を出て、初めにどこで働いて、
  どうやって世界一になったのか?

  それがわかれば、夢への道のりが
  イメージできるようになるかもしれないよ。」

> > >

 「声優になりたい」「音楽の仕事がしたい」

 高校生が語る“やりたいこと”や“夢”は
 時に、勉強や進学、就職など、今目の前にある課題からの
 逃避につながるケースもあるかもしれません。

 けれど、なりたい未来を自分の意志で決めること、
 そのために、精一杯頑張ってみること、
 たとえ失敗したとしても、その経験を学びへと変えること。

 これらの過程のもと、活躍する大人が生まれてきた例を、
 この社会で私たちは、たくさん見てきました。

 高校生の未来への一歩を、後押しする。
 そのなかで、自分自身も成長して、キャリアの気づきを得る。

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<編集後記>

前号でお知らせした「キズナハイスクール」最終発表会、
お越しになれなかった方/中継をご覧になれなかった方のために、
録画映像を下記に保存しています。

録画映像はこちらから

「お祭を復活させて、町に笑顔を取り戻したい」
「私たちが大人になったとき、復興の象徴として、
 東北でオリンピックを開きたい」・・

女川・大槌から、そして全国から集まった
高校生たちが、4日間考えた“復興への未来図”を、
グループごとに発表。

会の最後には、「10年後の自分への手紙」を
個人で読み上げました。

私は普段は、教育現場からは離れたバックオフィスで
仕事をしていて、時間と数字に追われていますが、
高校生の発表を聞いてると、あたたかい気持ちになって、
カタリバで働く意義を、改めて実感しました!

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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/

【文責】 山内 悠太

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