【メルマガ】被災した子どもたちの、無限の“可能性”を引き出す
こんにちは、NPOカタリバ山内です。
暑い日が続いていますね!
前号では、この7月で女川向学館が
1周年を迎えたことをお伝えしました。
この1年間で、担うべき役割も変化しつつある
コラボ・スクールですが、その根底にあるのは、
被災した子どもたちのもつ、無限の“可能性”を引き出す
という考え方です。
このようなコンセプトが生まれたのは、震災直後、
東北を訪れた今村久美(代表理事)が出会った
ある高校生との対話がきっかけでした。
今号では、そんなエピソードから紹介します。
■
2011年4月17日。
今村が初めて被災地に入ったとき、
宮城県石巻市である女子高校生に出会いました。
震災で両親が行方不明となり、
遺体安置所でたくさんの死体を確認するなど
つらい体験をした彼女が、そのとき取り組んでいたのは、
子どもたちと遊ぶ、というボランティアでした。
「私も大変だけど、私よりも幼い子どもたちは
もっと大変」
「保母さんになるという夢をかなえたい。
親を失ったから短大にいけるかわからない。
でも、復興のために自分にできることをしたい」
そう語る彼女の話を聞いて、今村が強く感じたのは、
「被災した子どもたちは、日常を失ったからこそ、
日常のありがたみがわかる」
ということでした。
■
「可哀想な子どもたち」に、ただ一方的に
“与える”という“支援”をするのではない。
これからの社会を、復興に向けて一緒に、
強く、優しく、生き抜いていく仲間を育てたい
子どもたちが、つらく悲しい体験を乗り越えたときに、
将来の日本を担うリーダーやイノベーターが、
きっと生まれるはず。
そんな想いで設立された、コラボ・スクールは、
まずは震災で遅れてしまった学習の支援、
そして傷ついた心のケアに力を入れてきました。
卒業生(大槌臨学舎 / 藤原美代乃さん)からの
コメントを紹介します。
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「私たちは、中学校3年生になる前に、
東日本大震災という大災害に遭いました。
みんな大事なものを失いました。
そして何より、受験生という意識が全く持てませんでした。
そんな中、コラボスクールができました。
コラボができてからは遅れていた3年生の勉強、
教科書もなくてできなかった1、2年の復習を
することができました。
休みの日は自習室もあり、勉強にすごく集中できた。
先生たちには勉強以外の事もたくさん教わりました。」
津波で、家や塾を流された子どもたちに、学びの場を。
その結果、学校外での学習時間は、震災直後の2.7倍にアップし、
卒業生の98%が第一志望校に合格することができました。
http://www.collabo-school.net/1year/
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そして、嬉しかったのは、コラボ・スクールでの体験を
キャリア形成に役立てていることです。
同じく、藤原さんの作文からです。
「コラボは私の生き方も変えてくれました。
高一になる前には、大槌と女川のコラボの人たちで、
支援者に感謝の気持ちを伝える旅行に行ってきました。
女川の友達や旅行中にたくさんの人に出会って、
人を助ける医療系の仕事に就きたいという
夢が強くなりました。
高校では必死に勉強して、自分の夢を叶えたいです。」
さまざまな人たちとの出会いに、“憧れ”や”刺激”を受け、
夢に向かって、歩き出している子どもたちがいます。
■
今春にコラボ・スクールを卒業した新高1生たちが
「自分たちも、町のために何かしたい」と
活動を始めました。
女川向学館では、夏の始まりに、
「キャンドルの灯りで町を照らそう」と、
地元商店街に、「エコ・キャンドル」を使った
イベントを提案しています。
http://www.collabo-school.net/?p=3970
大槌臨学舎では、被災地を訪れる寄付者に
ツアーガイドをする、というプロジェクトがスタート。
そんな生徒の意欲を、社会を生き抜く力へと変換するべく、
「教科書にない答え」を学ぶ“プロジェクト型学習”や
外国人に大槌をガイドする準備も兼ねての“英会話学習”など
新しいカリキュラムが始動しつつあります。
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震災で失ったものへの気持ちをバネにして、
新しい時代をつくる社会のリーダーを育てる。
2年目を迎えたコラボ・スクールでは、
そのための試みが、本格的にスタートしつつあります。
「新しい町をつくるため、僕たちは今、勉強する」
子どもたちは、このように話しています。
あなたも、新しい町づくりに、一緒に参加しませんか?
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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
【文責】 山内 悠太
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