【メルマガ】「新しい町をつくるため、僕たちは今、勉強する」
こんにちは、NPOカタリバ山内です。
もうすぐ7月、あっという間に夏の到来ですね。
1年前の夏、授業が始まった「女川向学館」は、
もうすぐ1周年を迎えられます。
ボランティア・寄付などで支えてくださった方はじめ、
応援いただいた皆様、ありがとうございました!
「新しい町をつくるんだ。
そのために僕たちは今、勉強する。」
向学館に通う生徒から、こんな言葉が
聞かれるようになったそうです。
「緊急支援」から、“復興の担い手”を育てる へ。
震災という、悲しくつらい試練を乗り越え、
復興への夢へと、たくましく歩みを始めた生徒たちを支えるため、
あなたも、新しい町づくりに、一緒に参加しませんか?
引き続き温かくお見守りのほど、そしてご支援のほど、
よろしくお願いいたします!
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さて、本文は「カタリ場」がテーマです。
前号では、菊川彩里(キャスト名:ニヤリ)さんの
“先輩の話”を紹介しました。
文系学部に在籍しながら、「看護師」を目指していた彼女。
進路への葛藤も抱えるなかで、励まされていたのは、
“先輩の話”を聞いた高校生からもらった、
「一緒にがんばろう!」という言葉でした。
今号では、その続きをお届けしますが、
まずは前号の簡単な“おさらい”からです。
<前号の記事>
■
「教育」と「看護」。
2つの“やりたいこと”の狭間で悩んでいた彼女ですが、
大学の授業で出会った、ある看護師さんの話をきっかけに、
こう考えるようになります。
「“どちらか”とあきらめるのではなく、
“どっちも”学べばいい。両方とも未来に活かせるんだ。」
将来、看護の世界で、コミュニケーションを活かすため、
「今できること」として、小学生とのキャンプや、
お年寄りとの交流会など、学外の人たちと関わる活動に、
積極的に取り組むようになります。
そんな大学2年の終わり、「ゼミの先生から話を聞いて」
カタリバを訪ねます。
■
授業に参加するようになって、高校生と話すなかで分かったのが、
「昔の自分と同じように、いろんなことをやりたくて、
悩んでる生徒さんもいる」のだということ。
たとえば、「将来はお店を出したいから、経営に興味がある。
でも、心理学も気になって、どちらを選べばいいのか…」と
迷っている女子生徒がいました。
彼女にアドバイスしたのが、
「経営学部でも、心理って学べるよね。
だって、お客さんの心理をわかるのは、経営にも大事だし」
「あれもやりたい!これもやってみたい!」
将来の夢へと熱心になると、視野が狭くなってしまう
こともあるもの。
少し年上の先輩が、広い視野で経験を話すことで、
「(進路のことを)調べてみようと思いました!」
「まだ何かできることがあるんじゃないか、と思いました」
そんな感想をもらうことも、あったそうです。
■
初めは“先輩の話”をするのはイヤだった、という菊川さん。
「自分の内面を人に見せるなんて恥ずかしいし、
同じ大学生の仲間にも、“看護士志望”は
言ってなかったんです」
そう話す彼女も、一緒に授業の企画をつくった仲間に
「やりましょう」と半ば強引に巻き込まれて、
仕方なくつくったそうです。
「こんな私が、話していいのかな・・?」
初めは緊張しながら話していた彼女ですが、
「一緒にがんばりましょう!」
自分と同じように、進路に向き合う高校生と話すなかで、
逆に励ましてもらうこともあったと言います。
■
「先輩の話をすると、自分の将来に
改めて向き合わなければいけないんです。
ありのままの自分の姿を見せると、
高校生のなかでも、感じてくれるものがある。
『一緒にがんばろう』そう言ってくれる
高校生に会うと、『がんばんなきゃ』と思えるし、
『言葉に恥じない自分にならなきゃ』とも思います。」
キャリアに迷いながら、「なかなか答えが出ない」
という大学生はたくさんいます。
そんなとき、「自分」だけに焦点を当てるではなく、
「生徒さんのために」を熱を込めて考えて、
相手に、そして自分自身に本気で向き合うことで、
逆に自分のキャリアにも良い影響をもらっている例が、
カタリ場には多く見られます。
■
菊川さんは、昨年度に大学を卒業して、
この4月から看護学校に通っています。
「もしかしたら、先輩の話をしていなければ、
看護学校に進んでなかったかもしれない」
本当に看護の道に進むか?はやっぱり葛藤もあって、
一時は企業への就職活動もしていたそうです。
「看護師になりたい、と頭のなかで考えているだけだったら、
いつのまにか流されてしまったかも。
カタリバには、いろんなことにチャレンジしている大学生がいた。
“休学”も“留年”も、海外や地方に飛んだ人もいて、
そんな人たちと出会えて、自分のちょっと変わった選択も、
『認められた』という気になりました。
それに、やっぱり高校生に話すことが、
夢を後押ししてくれたなって思います。」
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大学を卒業して、この春から看護学校に通う彼女。
彼女が「看護」と「教育」、両方目指そうという
きっかけになった看護師さんからかけてもらったのが、
「Planned Happenstance」
(プランド・ハップンスタンス/計画された偶然)
という聞き慣れない言葉でした。
“先輩の話”の最後に、高校生たちにこの言葉を贈ります。
「私がどうして、看護師になりたいのに、教育を学んでいるか?
の話は、これでおしまいです。
最後にもう一度だけ、みんなに私の好きな言葉を伝えたいです。
それはやっぱり”Planned Happenstance”。
偶然のチャンスは、あなたの努力に計画されて起こるんだよ。
私の一歩は、声をかけるところからだった。
どんな一歩でも、きっと今日みんなも周りにいる先輩たちは
応援してくれるし、一緒に考えてくれる。
だから、今日をきっかけに、何かどんな小さな一歩でも
いいからやってみて、チャンスをつかみにいってください。
みんながチャンスを手にできること期待しています。
今日は聞いてくれてありがとう。」
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<編集後記>
「女川向学館」の1周年について冒頭で書きましたが、
個人的には1年前の夏、それまで勤めていた会社を辞めて、
カタリバに“転職”をしました。
それから、本当に激変の1年だったなぁ・・・と
一人思い出してしまいました。
最近、仕事や体調の面で辛いこともあったのですが、
コラボ・スクールに通う生徒の体験記を読んで、
「こんな小さなことで、悩んでてはダメだ!」
と恥ずかしながら、思い直しました。
こちらのページ、皆様もぜひ、ご覧になってください!