【メルマガ】震災で家や塾を流された子どもたちに、学びの場を
こんにちは、NPOカタリバ山内です。
すっかり遅くなってしまいましたが、
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
> > >
新年早々ですが、嬉しいご報告から。
カタリバは昨年夏から、被災地の放課後学校“コラボ・スクール”を
宮城県女川町で運営してきましたが、
その第2校目として、岩手県大槌町で「大槌臨学舎」
(おおつちりんがくしゃ)を本開校できることになりました。
<詳細> http://www.katariba.net/k-news/9516.html
ご支援・ご声援いただいている皆様に、改めて感謝申し上げます!
さて12月13日から仮開校して、一部授業を始めている臨学舎。
「はたして生徒さんは、来てくれるだろうか??」
不安に思いながら、準備を進めていた現地スタッフを
勇気付けてくれたのは、地元の保護者の方から
いただいた、あるメールでした。
■
「私たち親は、子どもよりも、この日が来ることを
待ち望んでおりました!」
↑の想いをつづってくれたのは、中学3年生の母親の方。
夏から私たちが準備を進めていた教育支援の話を耳にされて、
「今か今か!」と待っていてくださっていたらしいのです。
「HPのナナメの関係、女川向学館も拝見し、
羨ましくも感じていましたよ~」とも。
12月に行った、中学3年生の保護者向け説明会には、
大槌町全体の中3の生徒数が約140名というなか、
総勢80名近い保護者の方々が来場されました。
http://www.collabo-school.net/?p=1299
入校を希望する保護者の方は、説明会や個別面談で、
「女川の子どもたちのことをニュースで見ていて、
うらやましかった」と口々におっしゃっていたそうです。
■
私たちの予想以上に、ここまで沢山の地元の方々から、
待ち望んでもらっていた臨学舎の開校。
この背景には、大槌町のどんな状況があったのでしょうか?
岩手県大槌町は、釜石市の隣にある三陸沿岸の町です。
全人口12619人のうち、震災による死者・行方不明者は1307人。
住居倒壊率は64.6%と被災地で3番目に高く、
町庁舎も津波で崩壊するなど、震災で壊滅的な被害を受けました。
仮設住宅内での勉強は集中しづらく、スペースの確保や
学習机など子どもたちへの学習支援が必要。
(「大槌町の教育状況調査」より)
家庭の経済状況や交通機関の悪化により、
進学をあきらめる生徒が出ることも予想されています。
■
臨学舎の校舎がある「上町ふれあいセンター」の前も、
住宅街が飲み込まれ、今は何もありません。
「震災があったから、受験に失敗した」
「夢をあきらめた」「志望校に行けなかった・・」
そんな想いは抱いてほしくない、とまずは受験を控えた
中学3年生に絞ってスタートした大槌臨学舎。
仮開校を迎えた当日には、その上町ふれあいセンターの
机が足りなくなるぐらい沢山の生徒が集まりました。
「これまで勉強できなかった分を取り返したい」
「ここで集中して勉強して、消防士になる夢を叶えたい」
いろいろな思いを持って、年末年始も勉強に励んでいます。
http://www.collabo-school.net/?cat=8
■
「生徒たちの心は確実に勉強、そして
受験へと向き始めている手ごたえを感じます。」
学習指導ボランティアの村上さんが、
そんな力強い言葉とともに、子どもたちの様子を
レポートしてくれたので、最後に紹介しますね。
> > >
単語力の低さを改善するため、「満点取るまで帰れない」
と実施した冬休み明けの単語テスト。
ある中3の男の子は、最初は半分も点を取れず、
やり直しをしても、満点が取れないまま
帰りのバスの時間になってしまいました。
「どうする?今日は帰る?」と声をかけたら、
「残ってやります」と一言。
英語は苦手、自覚していて、英語の授業になると
途端に集中力が下がっていた彼も、
この日は、都合6時間も単語の勉強をし続けたところ、
最終的には9割まで点が取れるように。
「明日も、自習室に来ます」と帰っていきました。
これまで自習室に来たことは一度もなかったのに、です。
■
単語テストに大苦戦した女の子が、もう1人。
最初は半分も点を取れなかったけど、ひたすら
単語の書き取りを続けて、最後にはほぼ満点が
取れるようになりました。
お母さんが迎えに来たので渋々席を立ちましたが、
「満点取って帰りたかった」とポツリ。
それでも、数時間の勉強で得点が一気に上がったことで、
「勉強時間を増やせばできるようになる」という手応えは
つかんだ様子。今後の追い上げが楽しみです。
> > >
大槌臨学舎では、本開校を記念して
1月23日に開校式も行います
http://www.katariba.net/wordpress/wp-content/uploads/2012/01/120118pressrelease_j.pdf
生徒たちの、将来への「約束」(決意表明)の宣言も
行われるそうで、楽しみです。
高校受験まで、あと2ヶ月を切りました。
宮城県女川町、そして岩手県大槌町で勉強に励む子どもたちを、
ぜひ皆さんも温かくお見守りいただければ幸いです!
【寄付のご案内】
震災で家や塾を流され、勉強する場所を奪われた
子どもたちのために、被災地の放課後学校
「コラボ・スクール」を運営しています。
寒い中、受験に向け勉強を頑張る子どもたちを、
応援お願いいたします。
http://www.katariba.net/collabo/
<編集後記>
冒頭で紹介したお母様からは、↓の嬉しい言葉もいただきました!
「震災以来、全国のみなさまにたくさん助けていただき感謝の毎日です。
いつか私も子どもも、どなたかの力になれるよう…
ペイフォワードして行きたいと思っています。」
コラボ・スクールは、“寄付”によって成り立っている学校です。
大槌臨学舎の設立にあたってご支援いただいた
バンクオブアメリカ・メリルリンチ様(Give2Asia財団様)、
新日本有限責任監査法人様はじめ、ご支援いただいた皆様、
そしてNPOカタリバやハタチ基金にご寄付いただいた皆様に
改めて御礼申し上げます!
■ 被災地ボランティアのご案内 ■
「女川向学館」「大槌臨学舎」では、受験を控えた中学3年生に
学習支援を行う短期ボランティア(2月~3月)を募集しています。
将来教員を目指している方、被災地での新しい教育の取組に
関わりたい方はぜひご応募ください。
http://www.collabo-school.net/?page_id=1318
■ 講演のご案内 ■
カタリバ職員の山崎菜々美が、2月4日(土)に
十文字学園女子大学で講演をいたします。
『若者の「つながり」をつくるNPOカタリバの10年
-学校に社会をとどける活動とは- 高校・大学編』
高校・大学の教員、キャリア・進路指導関連の方など、
どうぞご参加ください。
http://www.katariba.net/k-event/event-sj/9475.html
■ 1日ボランティア@東京のお誘い ■
カタリバも共催団体となったチャリティーラン「PARACUP」では、
当日運営を手伝ってくださる方を募集しています。
子どもたちを支援するため、“給水”や“応援”などで
楽しみながら、1日ボランティアをしませんか?
4/8(日)@多摩川河川敷、ご都合つく方はぜひご登録ください!
http://www.paracup.info/information/volunteer02.html
http://www.sportsentry.ne.jp/event.php?tid=28788
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/
▼Twitter http://twitter.com/katariba
▼Facebook http://ja-jp.facebook.com/katariba
【文責】 山内 悠太
- サポーターとしてのご支援ください -
あなたの月1000円で、10人の高校生に
“未来を変える”教育機会を届けられます。
http://www.katariba.net/heart/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━