【メルマガ】「親からの期待に応えたい・・」進学校の生徒さんの学部選び

※12月8日に配信したメルマガを転載いたします

こんにちは、NPOカタリバ山内です。

前号でお送りしたメール「被災地の受験生の冬」には
読者の皆様から、大変たくさんのご返信をいただきました。

改めて、ありがとうございました!

なかには、メールを転送いただいたり、
Facebookで紹介されたり、ご自身のブログで紹介くださった方も。
嬉しかったです!

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前号でお伝えした被災地の放課後学校「コラボ・スクール」
に代わり今号では、NPOカタリバが10年間取り組んできた活動、
高校生との“カタリ場”の様子をお伝えします。

今回話を聞かせてもらったのは、大学生キャスト
(ボランティア)として活躍する女性。

カタリ場では、高校生との心理的距離を近づけるため、
“あだ名”で呼び合っていますが、
キャストネーム“うっきー”さんです。

 ある普通科の進学校で、“進路”をテーマ行われた授業。

 うっきーさんが担当したのは、男子1人、女子2人の
 合計3人のグループでした。

 進学校ということで、3人とも目指すのは大学進学。

 ・1人目の男の子は、医学部に。
 ・2人目の女の子は、薬学部に。
 ・3人目の女の子も、学部は決まってないものの国立の大学に、

 受験を希望していました。

 一見、はっきりと進路が定まっている3人。

 ところが、3人の大学受験への期待や不安を少しずつ
 話してもらいながらわかったのは、

 3人とも「親からの期待」を大きく背負って、
 受験に臨もうとしていることでした。

 1人目の医学部を目指す男の子。

 お医者さんの家庭に生まれて、
 「将来は開業医になる」とはっきり決めて、
 勉強に打ち込んでいます。

 2人目の女の子は、薬学部を志望。

 薬剤師のお母さんに薦められて、
 理系クラスに入っています。

 3人目の女の子は、国立大学を目指しているものの、
 何をやりたいのかはわからない。

 でも、「大学には行ってほしい」という親御さんの希望で
「とりあえず大学には行かなきゃ!…」と思っていました。

 「何を基準に進路を選んでいくのか?」

 掘り下げて一緒に考えていくと、あいまいな答えも・・・

 3人とも共通して抱えていたのは、
 「親や家の期待に応えたい」

 そんな気持ちでした。

 これを聞いたうっきーさんは、
 自分の高校時代の経験と重なったそうです。 

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 高校では陸上部。

 インターハイに出るほどの選手だった彼女は、
 大学でも陸上を続けるために、推薦で
 専門種目の監督がいた大学に進みました。

 ところが大学に入ってから、怪我で陸上を断念。

 陸上のこと以外は考えずに、入った大学だから
 部活をやめてからは、やりたいこともない・・・

 本当は、体育の先生になりたかったのに、
 進んだ学部は、社会学科の史学科。

 興味があるわけでもないし、やめた後は
 代わりに熱中できるものもなく、
 「ぼーっとした大学生活」を送っていたそうです。

 陸上で大学を選んだうえで一番大きかったのは、
 お母さんから「大学でも陸上やりたいんでしょ」
 と言ってもらったこと。

 「お母さんの期待に応えたい!」

 そんな気持ちが、うっきーさんの進路選びの
 一番の動機でした。

 「別にそれで選んだからって
  私も100%後悔してるわけじゃないんだ。

  でも、進路を最後に決めるのは、もちろん自分。
  誰も責任をとってくれないからね。」

 そんなメッセージを伝えたところ、
 特に響いたのは、2人目の理系学部を目指している女の子。

 薬剤師のお母さんに薦められて、薬学部に向けた勉強を
 しているものの、ワークシートに書いてくれた
 「進路への期待度/不安度」は「不安」が100%。

 その理由は、「自分がやりたいことじゃないから」
 

 「じゃあ、他に興味あることはあるの?」

 そう問いかけると、返ってきたのは意外にも
 「歴史が好き!」という答えでした。

 そのなかでも特に好きなのが、「戦国時代」。

 「文系の学部に進んでもっと勉強できたらなぁ」と思いつつ、

 先生にも理系を薦められて、“文転”はできないんだと
 自分の気持ちにフタをしていたところでした。

 「進路は、自分の考えで選ぶのが一番良いと思えた」
 と書いていた彼女。

 「結局やりたいことで選びたい。
  でも、歴史にまだどっぷり浸かったわけじゃないから・・」

 まずは「歴史を勉強する時間をつくる」と
 “約束”をたててくれました。

 一方、1人目の医学部志望の男の子は、
 これからの目標を再確認した様子。

 「町の人に愛される医院を開業したい」という夢が、
 親の希望だけでなく、自分でも本当にやりたいことなんだ!と
 これから受験勉強に励むのを約束してくれました。

 そんな会話を聞いていて、うらやましくなったのは、
 希望の学部が決まっていない、3人目の女の子。

 ご両親から「とにかく国立に行ってほしい」と言われながら、
 勉強に身が入らず、なんとなくメールしたりPC見たり・・・

 「私も、やりたいことを見つけたい!」

 そう話してくれて、授業が終わってからも、
 インターネット上の掲示板に書き込みしてくれた彼女に、
 うっきーさんが伝えたのは、

 「もっともっといろんな世界に触れて、いろんな人と話して、
  どんどん成長してってほしいな♪私も、只今成長中やし。

  やりたいことは、変わってもいいんよ!
  とりあえずやってみる!みたいなんでもえんちゃう?」

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 もちろん、“やりたいこと”だけで進路を選ぶのには
 リスクもあります。

 親御さんが熱心に考えられた進路にも、
 生徒さんの将来にとって合理性があるでしょう。

 それらを否定するような授業を、私たちは行いません。

 ですが、進路選びにあたってとりわけ大事なのが“主体性”

 そう考える私たちは、高校生一人ひとりが
 意思ある進路を選び、納得できるキャリアを送れるよう、

 生徒さんたちが将来を考える“きっかけ”を運び、
 行動へと“1歩踏み出す”のを応援していきます。

【募集】

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<編集後記>

先週末に行われた、福岡国際マラソン。

日本人トップ3位の川内選手の活躍、
素晴らしかったですね。

県立高校に勤める一般ランナーの、歯を食いしばった走りに、
勇気をもらった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

(私は、今週張り切ってジムに体験入会に行ってしまいました。)

そんなマラソン。マラソンの大会に、
カタリバも「共催」という形で参加します。

世界の子どもたちを支援するための
チャリティーマラソン大会、「PARACUP(パラカップ)」

この収益の一部で、カタリバも支援いただけることになりました。

2012年4月8日、多摩川河川敷で行われるこの大会、
皆さんも一緒に走りませんか?(5km~ハーフマラソン)

合わせて、大会運営を支えてくださる当日ボランティア、
大会の企画・運営スタッフも募集しています。

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http://sfml.jp/?c=26947&o=00Q10000005gcR9EAI&v=a6891aa6

【文責】 山内 悠太

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