【メルマガ】生徒さんの“主体性”を引き出した、ある1つのキーワード

※11月1日に配信したメルマガを記載させていただきます

※本メールは、NPOカタリバのメルマガにご登録いただいた方、
 会員の皆様、職員と名刺交換させて頂いた方にお送りしています。

こんにちは、NPOカタリバの山内です。

いきなりですが、カタリバの活動に参加されたことがある方は、
「カタリバって何をしているの?」と聞かれたとき、
どんな説明をしていますか?

「大学生が高校を訪ねて、進路のこととか、
 高校時代の悩みとか語って・・・」

私の場合、こんな風に友達に話しつつも、
ピンときてもらえないこともあり、
すっきりしない想いをかかえておりました。。

そこで・・・

・私たちは、どんな社会的課題に取り組んでいるか?
・具体的に何をしていて、どんなビジョンを目指しているのか?
・そのために、何が必要なのか?

改めて整理したWebページを作ってみました。
よろしければご覧になってください!

【カタリバの想い】
 http://bit.ly/utRtU4

(そして、社会人の皆様、ご共感いただけましたら、
 ぜひご支援をお願いいたします!)

 カタリバの授業を受けた高校生の“変化”。

 大学生と話をするなかで、彼らが“進路”や“仕事”について、
 どんなことを考え、行動へとつながったか?を今号でもお伝えします。

 お話を伺ったのが、大学3年生のまりこさん。
 (※本人の希望により仮名)。

 彼女が担当した、一見“不思議少女”タイプの高校生。

 初めは淡々と話していたそのこが、
 ふとしたきっかけで、表情を活き活きさせながら、
 “好きなこと”を語ってくれるようになった、その瞬間。

 そのときにキーワードになったあるひと言とは?
 どうぞご覧ください。

 1学期の期末テストが終わり、夏休みの直前。

 最高気温が30度を超えるなか、
 蒸し暑い体育館で行われた授業でした。

 まりこさんが担当した7人の高校生のなかで、
 一番印象に残っているのが、ある無口な女の子でした。

 決して話を聞いてくれないわけでも、
 イヤな顔をするわけでもないけれど、
 積極的には答えてくれない。

 「将来やりたいこととかあるの?」と
 聞いて返ってきたのが、

 「いや、そんなにやりたいことないんですよね」
 「まっ、選択肢としてこんなのがありますかね」といった、
 とらえどころのない答え。

 普段は部活も入ってないし、いつも一緒にいるのも
 決まった友達みたい。

 「勉強もツライし・・・」と語る彼女に対して、
 「不思議な生徒さんだな」
 「もしかして、あんまり人に興味がないのかな?」
 とまりこさんは思っていたそうです。

 そんななか、仕事についての考えを引き出そうと、
 ワークシートを使った会話(「チェッキング」)を開始。

 B4のシートの真ん中に、自分の名前を丸囲みで書いて、
 そこから放射線状に広げた3つの空欄に、
 “興味のある仕事”を書いてもらったところ・・・

 「就職(事務はイヤ)」「ディスプレイデザイナー」の
 2つまでは埋まりました。

 でも、興味がないわけじゃないけど、
 そこまでやりたいことはない、という感じ。

  
 そんなやりとりの後、最後に出てきたキーワードが、
 「裏方の仕事」でした。

 スーパーのバイトをしている彼女。

 在庫を整理したり、シールを貼ったりの作業が好き。

 「それって、どんなところが楽しいんだろう?」

 「他の仕事にも当てはまることはないかな?」と
 掘り下げて聞いてみると、
 しばらく考えた後に答えてくれたのが・・・

 「自分の用意したものや考えたこと、
  作業したものがオモテに出るのが楽しいし、
  そういう作業が好きだから」

 淡々と話していた彼女が、
 これを答えてくれているときは、表情が活き活きと・・!

 仕事なんて「何でもいいんです」と無関心だった彼女が、
 主体的に考えるようになったキーワードが、
 意外にも、「裏方」だったのです。

―――――――― ▼教育関係者の方、注目のイベント ▼――――――――

 ▼11/14(月)カタリバ大学 第37講
 「奨学金後進国ニッポン」 http://bit.ly/mPVqmA
  林恵子様(NPO法人ブリッジフォースマイル)
  渡井さゆり様(NPO法人日向ぼっこ)
  寺脇研さん(京都造形芸術大学芸術学部教授)

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 彼女は、服が好きで服飾科が入ったものの、
 卒業後の“夢”となるとまだボンヤリ。

 
 ワークシートに残っていたメモは、
 「現実で精一杯だから」「迷っているから」「難しいから」 ・・

 そんな胸のうちを明かしてくれた後、彼女が聞いたのが、
 ミュージカルに打ち込む先輩の話。

 友達に誘われてたまたま見に行った舞台。

 「それを見たときから、ミュージカルの魅力に圧倒され、
  人生が変わってしまった」という話でした。

 その先輩からの一番のメッセージが、
 「原点を振り返る」こと。

 「つらいことがあっても、原点を思い出せば
  乗り越えられるよ」

 この一言に、熱を受けたそうです。

 「じゃあ、自分の原点は何だろう?」

 「服が好きで、作ってみたかったし、普通科よりも、
  視野が広がっていいかなと思ったからです」

 と服飾科に入った原点を書き込んでくれた彼女。

 さらに考えを掘り下げていって・・・

 どうして服が好きなんだろう?

 「お店などで見ているだけで、楽しいから」
 「好きなデザインで作れるから」と書いたものの、

 でも、なんか違うな?そこまで服が好きじゃないのかも。
 私は何をやりたいんだろう?
 

 そこまで熱が入ってない自分に気づいたそうです。

 この授業で彼女は、「何がやりたいか?」は結局
 はっきりわからなったし、逆にわからないことの方が
 大きくなったのかもしれません。

 でも、「将来が不安」「迷っている」「勉強がツライ」と
 こぼしていた彼女が、前向きに将来を考える時間に
 なったことは事実。

 “やりたいことがわからない”という自分を素直に受け止めて、
 「オープンキャンパスに行ってみる」という
 行動を約束してくれました!

 「好きなものや、好きなことは行動につながるので、
  そういう気持ちを大切にしたい」

 そう書いてくれた彼女が踏み出した一歩、
 私たちは応援しています!

<編集後記>

先々週末、東北の被災地に行ってまいりました。

宮城県女川町にある女川向学館。
カタリバが運営している放課後の学校です。

今も残る瓦礫の山にショックを受けたり、
一生懸命勉強する子どもたちから元気をもらったりと、
そのときの様子は、このメルマガでもお伝えできればと思いますが、

この学校の子どもたちや先生の様子が、
1分間の動画になっています。どうぞご覧ください!

【学びたい子どもたちに、学びの場を。】 ほか
 http://bit.ly/ojHveK

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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/

【文責】 山内 悠太

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  あなたからの月1000円で、10人の高校生に
  カタリバの授業を届けられます。
  http://bit.ly/utRtU4

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