【メルマガ】生徒さんの“主体性”を引き出した、ある1つのキーワード
※11月1日に配信したメルマガを記載させていただきます
※本メールは、NPOカタリバのメルマガにご登録いただいた方、
会員の皆様、職員と名刺交換させて頂いた方にお送りしています。
こんにちは、NPOカタリバの山内です。
いきなりですが、カタリバの活動に参加されたことがある方は、
「カタリバって何をしているの?」と聞かれたとき、
どんな説明をしていますか?
「大学生が高校を訪ねて、進路のこととか、
高校時代の悩みとか語って・・・」
私の場合、こんな風に友達に話しつつも、
ピンときてもらえないこともあり、
すっきりしない想いをかかえておりました。。
そこで・・・
・私たちは、どんな社会的課題に取り組んでいるか?
・具体的に何をしていて、どんなビジョンを目指しているのか?
・そのために、何が必要なのか?
改めて整理したWebページを作ってみました。
よろしければご覧になってください!
【カタリバの想い】
http://bit.ly/utRtU4
(そして、社会人の皆様、ご共感いただけましたら、
ぜひご支援をお願いいたします!)
■
カタリバの授業を受けた高校生の“変化”。
大学生と話をするなかで、彼らが“進路”や“仕事”について、
どんなことを考え、行動へとつながったか?を今号でもお伝えします。
お話を伺ったのが、大学3年生のまりこさん。
(※本人の希望により仮名)。
彼女が担当した、一見“不思議少女”タイプの高校生。
初めは淡々と話していたそのこが、
ふとしたきっかけで、表情を活き活きさせながら、
“好きなこと”を語ってくれるようになった、その瞬間。
そのときにキーワードになったあるひと言とは?
どうぞご覧ください。
■
1学期の期末テストが終わり、夏休みの直前。
最高気温が30度を超えるなか、
蒸し暑い体育館で行われた授業でした。
まりこさんが担当した7人の高校生のなかで、
一番印象に残っているのが、ある無口な女の子でした。
決して話を聞いてくれないわけでも、
イヤな顔をするわけでもないけれど、
積極的には答えてくれない。
「将来やりたいこととかあるの?」と
聞いて返ってきたのが、
「いや、そんなにやりたいことないんですよね」
「まっ、選択肢としてこんなのがありますかね」といった、
とらえどころのない答え。
■
普段は部活も入ってないし、いつも一緒にいるのも
決まった友達みたい。
「勉強もツライし・・・」と語る彼女に対して、
「不思議な生徒さんだな」
「もしかして、あんまり人に興味がないのかな?」
とまりこさんは思っていたそうです。
そんななか、仕事についての考えを引き出そうと、
ワークシートを使った会話(「チェッキング」)を開始。
B4のシートの真ん中に、自分の名前を丸囲みで書いて、
そこから放射線状に広げた3つの空欄に、
“興味のある仕事”を書いてもらったところ・・・
「就職(事務はイヤ)」「ディスプレイデザイナー」の
2つまでは埋まりました。
でも、興味がないわけじゃないけど、
そこまでやりたいことはない、という感じ。
そんなやりとりの後、最後に出てきたキーワードが、
「裏方の仕事」でした。
■
スーパーのバイトをしている彼女。
在庫を整理したり、シールを貼ったりの作業が好き。
「それって、どんなところが楽しいんだろう?」
「他の仕事にも当てはまることはないかな?」と
掘り下げて聞いてみると、
しばらく考えた後に答えてくれたのが・・・
「自分の用意したものや考えたこと、
作業したものがオモテに出るのが楽しいし、
そういう作業が好きだから」
淡々と話していた彼女が、
これを答えてくれているときは、表情が活き活きと・・!
仕事なんて「何でもいいんです」と無関心だった彼女が、
主体的に考えるようになったキーワードが、
意外にも、「裏方」だったのです。
―――――――― ▼教育関係者の方、注目のイベント ▼――――――――
▼11/14(月)カタリバ大学 第37講
「奨学金後進国ニッポン」 http://bit.ly/mPVqmA
林恵子様(NPO法人ブリッジフォースマイル)
渡井さゆり様(NPO法人日向ぼっこ)
寺脇研さん(京都造形芸術大学芸術学部教授)
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彼女は、服が好きで服飾科が入ったものの、
卒業後の“夢”となるとまだボンヤリ。
ワークシートに残っていたメモは、
「現実で精一杯だから」「迷っているから」「難しいから」 ・・
そんな胸のうちを明かしてくれた後、彼女が聞いたのが、
ミュージカルに打ち込む先輩の話。
友達に誘われてたまたま見に行った舞台。
「それを見たときから、ミュージカルの魅力に圧倒され、
人生が変わってしまった」という話でした。
その先輩からの一番のメッセージが、
「原点を振り返る」こと。
「つらいことがあっても、原点を思い出せば
乗り越えられるよ」
この一言に、熱を受けたそうです。
■
「じゃあ、自分の原点は何だろう?」
「服が好きで、作ってみたかったし、普通科よりも、
視野が広がっていいかなと思ったからです」
と服飾科に入った原点を書き込んでくれた彼女。
さらに考えを掘り下げていって・・・
どうして服が好きなんだろう?
「お店などで見ているだけで、楽しいから」
「好きなデザインで作れるから」と書いたものの、
でも、なんか違うな?そこまで服が好きじゃないのかも。
私は何をやりたいんだろう?
そこまで熱が入ってない自分に気づいたそうです。
■
この授業で彼女は、「何がやりたいか?」は結局
はっきりわからなったし、逆にわからないことの方が
大きくなったのかもしれません。
でも、「将来が不安」「迷っている」「勉強がツライ」と
こぼしていた彼女が、前向きに将来を考える時間に
なったことは事実。
“やりたいことがわからない”という自分を素直に受け止めて、
「オープンキャンパスに行ってみる」という
行動を約束してくれました!
「好きなものや、好きなことは行動につながるので、
そういう気持ちを大切にしたい」
そう書いてくれた彼女が踏み出した一歩、
私たちは応援しています!
<編集後記>
先々週末、東北の被災地に行ってまいりました。
宮城県女川町にある女川向学館。
カタリバが運営している放課後の学校です。
今も残る瓦礫の山にショックを受けたり、
一生懸命勉強する子どもたちから元気をもらったりと、
そのときの様子は、このメルマガでもお伝えできればと思いますが、
この学校の子どもたちや先生の様子が、
1分間の動画になっています。どうぞご覧ください!
【学びたい子どもたちに、学びの場を。】 ほか
http://bit.ly/ojHveK
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【発行元】特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/
【文責】 山内 悠太
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あなたからの月1000円で、10人の高校生に
カタリバの授業を届けられます。
http://bit.ly/utRtU4
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