プログラム
対象 | 高校1~3年生 |
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時間 | 120分×3回(※1) |
場所 | 教室(※2) |
生徒数 | 20~40名程度(1クラス) |
スタッフ | 職員1名、大学生スタッフ4~5名程度 |
教科 | 総合的な学習の時間、オリエンテーション、その他(課外授業など)等 |
「学校行事やクラスでの活動に、主体性をもって取り組んでほしい」「自分自身の考えを、言語で表現する機会をつくりたい」このような先生方のニーズから生まれたのが、本プログラムです。
このプログラムでは、生徒(例:高2)が後輩(例:高1)に「カタリ場」を行います。授業を受ける生徒たちは、自分自身について振り返り、理解を深めながら後輩へのプレゼンテーションの準備をすると同時に、後輩を動機付けるためのコミュニケーションの練習をします。自分自身の言葉で高校生活や人生を振り返りながら、「だから将来、こんなことをしていきたい」と、自分の考えを言語で表現できるようにします。
これまでの高校生活や人生を振り返るため、「人生グラフ」を作成します。また、後輩に「カタリ場」を行うときにそなえ、初対面で話す人とのコミュニケーションの取り方や、深い話を引き出すための練習をします。
ステップ1で作成した「自分グラフ」をもとに、「1年生の自分に伝えたいメッセージ」を考えます。プレゼンテーションで話すエピソードを抽出したうえで、「絵コンテ」に落とし込みながら、発表の練習をします。
先輩役となって、後輩に「カタリ場」を開催します。下級生と対話をしながら、「高校生活の悩み」や「進路への考え」などを引き出します。さらに、ステップ2で作成した「絵コンテ」をもとに、10~15分程度のプレゼンテーションをします。
授業で使っている教材
自分を振り返る「人生グラフ」記入例
プレゼン用の「絵コンテ作成シート」
授業を導入いただいた先生方からは「高校生自身がアウトプットすることで、自信を持つことができる」「これまでの人生を振り返るなかで、自分と向き合い過去の嫌なことをプラスに捉えられるようになる」「高校生活やこれからの目標を生き生きと語る先輩の姿を見て、後輩たちのモチベーションも上がる」など評価をいただいています。
青木 恒夫 先生
横浜市立横浜商業高校
授業を受けた2年生も1年生も、すごくいい目をしていました。2年生は、発表を作り込んだ達成感に満ち溢れていましたし、1年生も2年生の姿を見て「先輩すごいな!」と憧れを抱いた生徒もいたと思います。見ていた先生方も、全員口をそろえて「すごくいいね!」とこのプログラムを褒めてくれていたのは、やっぱり良かった証拠だと思います。2年生が3年生に進級してからのプレゼンテーションの授業では、人前で話すのを恥ずかしがらずに、今までとはがらっと変わって良い発表をしていました。「どの順番で話したら、最も劇的な効果が出るか?」を考えて発表を作り込むなかで、論理的思考力も磨かれたと感じています。
▶ 先生方の声を見る授業を導入した先生の声
・2年生にとっては自信になったと思う。3年生になる前に自分自身を振り返り発表することで、受験に向けて前向きにスタートを切れたと思う。1年生は先輩たちの前向きに頑張る姿を見てか、学年がかわったからかわからないが、目つきがかわり前向きに授業に取り組むようになったと感じる。「ここで頑張ろう」という気持ちが生まれたのだと思います。(神奈川県高校教員)
・サンプリング作りを通して、自分を見つめなおし、相手に伝わるように動機づけする話までブラッシュアップするところがすごい。このコミュニケーション能力は社会に出ても必要なことだと思う。(東京都立高等専門学校教員)
プログラムの前後に生徒にアンケートに答えてもらい、意識や行動の変化を定量的に測定しています。
アンケート事例:横浜市立横浜商業高等学校
高校2年生に本プログラムを実施して、最後に高校1年生にカタリ場を実施したときのアンケート結果です。
授業を受けた生徒の感想
・「今までの自分が何をやって、何を学んだのか、決意した時の自分に立ち返ってみたりしたことで、その時と同じ気持ちになって再び決意できた。」(高校2年生)
・「過去の失敗を今くりかえしていることに気づいて、同じ後悔をしないように、自ら行動を起こすことができた。嫌なことが多い人生だけど、それでも捨てたものではないと感じることができた。」(高校2年生)
・「カタリバのおかげで自分を見つめなおして、もっと頑張ろうと思いました。これから行事も勉強もがんばって、すてきなYライフを送れるように頑張ります。」(高校1年生)
「リーダーシップ育成」の授業は、2015年度に始まった新しいプログラムです。過去にカタリ場を導入いただいた高校を中心に、ご一緒いただける高校を募集しています。ご興味のある高校の先生からの、お問い合わせをお待ちしております。
導入テーマ例
「リーダーシップ」「ピアサポート」「ピアエデュケーション」「アクティブラーニング」「ファシリテーター」「AO入試対策」「自己理解」「自分の考えを自分の言葉で語る」「ストーリーテリング」
年間計画のなかでの活用例
2年生の3学期は、3年生になる直前で進路選択に向けて自覚が高まる時期。これまでの高校生活や人生を振り返り、残りの高校生活に主体的に臨めるようになるため、また進路選択への覚悟を高めるため、導入いただきました。
実施高校 | 横浜市立横浜商業高等学校 |
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実施時期 | 2年生の3学期 |
実施授業枠 | 「総合的な学習」の時間 |
能力目標の主眼 | 自分自身が進みたい道を言語化できるようになる |