【事例報告】困難を抱えた生徒とともに歩む新たな一歩

2015.8.24 事例紹介

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この春からカタリバでは神奈川県立田奈高等学校で新しい試みに挑戦をしています。
神奈川県立田奈高等学校は、入学選抜において学力検査を行わない高校(クリエイティブスクール)です。必然的に学習面などに課題を抱えた生徒が多く在籍し、その背景には厳しい経済状況や不安定な家庭環境がある場合も少なくありません。この度、カタリバはいままで培ってきた高校生との対話経験を活かして、田奈高校の1年生が良いスタートを切ることができるように学習支援を行うことになりました。

全日制の高校において1年時の中退率が2.7%、2年時が1.3%、3年時が0.4%という結果が出ています。(文部科学省「平成22年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果より)中学校からガラッと環境が変わる高校1年生の時期の中退率は他学年と比べてとても高く、中退を防ぐ上でとても重要な時期であることがわかります。
1年生の生徒たちが高校を中退せずに自分で道を拓けるように。学習面だけでなく、精神面からもサポートしていきたいと思っています。
これまでの課題意識を持ちつつも、手が届いていなかった「困難を抱えた生徒」へのサポートが始まっています。

田奈高校では中退を防ぐために、外部と様々な連携をとっています。その取り組みの一つとして、カタリバが行っているのが、1年生に対して行う学習支援、通称「田奈ゼミ」です。カタリバに登録している大学生のボランティアスタッフが定期的に通い学習支援を行っています。

田奈高校の金澤先生からいただいた、カタリバの活動についてのコメントをご紹介させていただきます。

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田奈高校の課題は、卒業と同時に生徒は自立しなければならないことです。貧困、家庭の機能不全、親の疾病が背景にある生徒が多い中、円滑に社会的自立を遂げられるようにサポートしていかなければなりません。現在、1人親世帯は3人に1人。「子どもの貧困対策に関する大綱(2015年8月閣議決定)」によれば、1人親家庭の貧困率は54.6%と報告されています。また、施設からきている生徒もいます。福祉事務所、病院、児童相談所など様々な外部機関と協力しながら生徒の課題解決に取り組んでいます。

1年生は2・3年生のように就労支援やキャリア学習はしません。生徒のアセスメントなどもしません。中学校のいろんな規律から解放されて羽を伸ばしているため、1年生は最も問題が噴出しやすい時期です。疎外感を持った瞬間に中退につながる、見放されたような気分にならないのが大切なのです。

カタリバのボランティアスタッフは生徒とのコミュニケーションが上手です。田奈ゼミの前に、応接室に生徒が迎えに来るのを見てびっくりしました。学習支援なのに楽しみに待っている。こんなことは今までありませんでした。

評価者じゃない人が来て、憧れができて話しかけてくれる、今年は田奈ゼミが違う活力があって活性化しています。田奈ゼミは学力だけじゃない、お兄さんやお姉さんが話を聞いてくれる、放課後の居場所なのです。

田奈高校としては、来年もカタリバが田奈ゼミに関わり続けてもらえるように、地域の人から支援してもらえるような仕組みを共に考えていけたらと思っています。

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子どもでも大人でもない。一番揺れ動く「今」を生きている中高生たちにカタリ場を届けることが、「人生を主体的に歩むきっかけになる」と私たちは信じています。愚直に目の前の生徒に向き合い、一人ひとりの高校生に良い風が吹くことをここから願いつつ、これからも活動を続けていきたいと考えています。

こうした活動をカタリバが続けていくために、一人でも多くの方に知っていただきご支援をしていただければと思います。今回の新たな一歩、カタリバの田奈高等学校への学習支援を資金でサポートしていただける方を募集しています。
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