沿革

2001.11
任意団体「カタリバ」を設立

2002.07
(株)リクルート主催 高校生2万人が集まるイベント「進学わくわくライブ」にて
「進学ネットで自分発見コーナー」を担当。

2002.10
私立千葉敬愛学園高校の文化祭にて「カタリバカフェ」を実施。

2002.11
NPO法人女子教育奨励会とのコラボレーション事業として、
私立東京女学館高校にて「カタリバカフェ」を実施。

2003.05
みなとNPOハウスにて高校生・浪人生と 大学生・社会人との
コミュニケーションイベント「第1回カタリバ祭」開催。

2004.02
財団法人国立オリンピックセンター助成事業「マジでかたやびら at.沖縄」を開催。
同県教育委員会や那覇市教育委員会、高等学校PTA連合会などの後援を得、
沖縄県の大学生や社会人らとともにワークショップ形式で実施。

2004.04
運営新体制スタート。
職員による運営から、学生を運営の中心とした体制に変更。

2004.10
キャリア学習プログラム「カタリ場」の展開を本格的に開始

2006.09
NPO法人化

2007.4
東京都教育庁 教育支援コーディネーター制度
業務委託契約締結

2007.9
青森県でカタリ場を実施。地域支援事業が始動。

2008.4
NPOカタリバ沖縄支部 学生団体カタヤビラ始動

2008.9
三宅島にて、島の若者活性化を目的に、三宅島OBによるカタリバを実施

2008.10
大阪・神戸で活動するNPO法人ブレーンヒューマニティと提携開始

2008.11
嘉悦大学にて、初年次教育プログラム導入

2009.2
スペシャルイベント「格差時代の夜明け前 若者漂流時代をどう生きる?」を開催

ミッション

設立趣意書

2001年夏、まだ学生だった私たちは、
「無気力・無感動・無関心な若者たち」などと表される世代の内側、
つまり、教育を受ける側にいました。

本当にそうなのか?本当はみんな思っていることがあるんじゃないの?
まだ眠っているかもしれないけど、誰でも心の奥にはスイッチが入りさえすれば点火する
「ホンキ」が眠っているんじゃないか・・?
そして何かひとつやってみたら、誰かが自分を変えてくれるんじゃなくて、
自分で自分を楽しくするってこと、きっとわかってくるはず。


私たちは、自分たちの世代を表象的に表される
様々な大人言葉に違和感と抵抗感を感じつつも、
確かにどこか言い当てているこの現状をなんとかしたいと思いました。
状況は、社会が悲観視されているほど悲観的でもなく、
本当に可能性も希望も本気もやる気もまったくない人は一人もいないということを、
私たちは確信していました。
なぜなら、私も「きっかけ」以前はあちら側にいたからです。

感動のあまり心を揺さぶられるような経験
本気でやったのに叶わなかった目標に悔しくて涙する経験
みんなと一緒に心のそこから大笑いするような経験
胸がいっぱいになるくらい憧れる人との出会いの経験

コミュニケーションのメディアが便利になってきた今、
つながりたい人とだけつながりあえる時代になってきたからこそ、
こういう経験は足りなくなってきているのかもしれない。
しかし心がずしんと動くようなこういう経験は、考え方や行動にとって、
確実な「きっかけ」になります。

今日の時点で自分や周りにドライなあの子も、きっと何かの「きっかけ」で変わる。
ダルイとかウザイとか、そういう表現で自己表現しているあの子も
それ以外の表現で複雑で繊細な自分の感情を表現できていないだけ。

「きっかけ」不足な社会に生きる10代のために、
「私、がんばってみようかな!」と思えるような「きっかけ」をつくりたい。
それも、できるだけ、みんなに行き渡るような方法で。
そう思い立って2人で活動をはじめてから、6年がたちました。


現在NPOカタリバには、年間3800名もの若者が、
「昔の俺に会ったら言ってやりたい事が山ほどあるんだ」なんて言いながら
真剣に「自分が受けたかった授業」をつくり、高校に訪問し、
高校生に「きっかけ」を運ぶ活動をしています。

NPOカタリバが特定非営利活動法人NPOカタリバになった今日、
ここであらためて宣言します。

社会を構成する人々のつづく日常の中に、
たくさんの優しいナナメの関係が生まれ、個々が少しずつみんなのために優しくなり、
そして、未来の社会づくりに自分らしい形で少しずつ参加する人が増えた時に、
確実に社会は変わる。

NPOカタリバなんていう仕掛け屋が
いなくてもそんなことが成り立っている日を目指して、
今日もカタリバは多くの高校で生活する高校生にたくさんの「きっかけ」を運び続けます。


2006年9月吉日
特定非営利活動法人 NPOカタリバ 代表 今村久美 (旧性 中澤)

→代表/プロフィールへ

なぜ高校生を対象にしているのか?

「小学生、中学生じゃなくて、なんで高校生を対象にしているの?」
というご質問をよくいただきます。
 
また、「キャリアに関することだったら、やっぱり大学生をターゲットにすべきでしょう」
というご意見も、よくいただきます。
 
なぜ、高校生なのか。
 
 
高校生の時の進路選びは、多くの人にとって
初めて「どう生きるか」という選択に迫られる時なのではないでしょうか。
そんな高校生の時の進路選びの考え方を変えたら、
もしかしたら社会が変わるんじゃないかなと思うんです。
 
もっと言えば、世の中の大学生という時間を贅沢に使える人たちが生き生きする、
また、早くから道を定めて専門学校に行く学生や、
高校を卒業して社会で働く事を選ぶ若手社会人がキラキラする、
これが社会を元気にするエキスとなると思うのです。
そのためには「高校生の時の進路の選び方」が、もっとも重要な要素ではないでしょうか。
 
そういった意味で私たちは、
高校生という、繊細でビミョーなお年頃の世代が、
「がんばるって決して恥ずかしいことじゃなくてカッコイイことなんだ」って
思えるようになることを、やっていきたい。
 
2003年、経済産業省が「立ちあがれニッポン」なんて素敵なことを言っていましたが、
果たして日本は立ち上がったのでしょうか!?
私たちもかつて一世を風靡したボブサップと一緒に
「立ちあがれニッポン!高校生を変えたら社会が変わる!」
と声高らかにうたいたいと思います! 
 
 

課題解決へのアプローチ

1.多様な他者と幅広い人間関係構築の機会をつくること
特に中高生に多く見られる傾向として、同世代との限られた人間関係しか持たず、
それ以外の人間関係を持つことに慣れていないことが挙げられます。
このことが、自立意識や社会性を培う上でのマイナス要因となっていると考えられます。
こうした課題に対応し、多様な他者と幅広い人間関係を構築する機会をつくることで、
それが社会や将来への関心や意欲が高まる動機付けとなり、様々な情報を得るチャンスにつながります。
 
2.自己肯定感を高めること
自己肯定感とは、自分を認め自信を持つことです。
これは、自己の新たな可能性の発見や自己理解の深化といった、内面の成長と深く関わってきます。
また、自分の進路・将来設計・進路の選択決定に関心・意欲を持つことによって、
日常の学習態度や生活態度を大きく変化させます。
この自己肯定感を高めるためには、「できた」「わかった」という成功体験の自覚や、
褒められるなど、第三者の言葉を借りて自己を再認識する機会が効果的です。
 
3.学校や先生と連携すること
NPOカタリバは、学校や先生との連携を大切にしています。
なぜなら、上記のような機会は、一部の意欲の高い若者だけでなく
すべての若者に提供されるべきだと考えるからです。
任意参加のイベントなどではなく、学校の授業の一環として
全員が参加することで、よりカタリバの活動が意義のあるものになります。
 
一方、学校や先生に求められていることは年々大きくなっており、
現場の先生方の負担は計り知れません。
そこで、すべての負担を先生が負うのではなく、
先生にはコーディネート役として、NPOカタリバを効果的に活用していただきたいと考えています。
 
 

現在の教育における課題

NPOカタリバは、特に以下の点に問題意識を持ち、
その解決に向けた活動を行っています。
 
・幼少期からの様々な直接体験の機会や、異年齢者との交流の場が、昔に比べて乏しくなっていること
・多様で幅広い人間関係が不足しており、モデルとすべき生き方を見つけにくい状況に置かれていること
・「わかった」「自分にもできるかもしれない」という、成功体験や自己肯定感を自覚する機会が少ないこと

 
 

「ナナメの関係」とは

先生や親(縦の関係)には本音が言いにくい、
同級生(横の関係)にはまじめな話なんてダサくてできない。
そんな高校生の気持ちをフラットに聞けるのは、ナナメの関係。
 
ナナメの関係は、もっと利害関係のすくない、
近所のお姉さんお兄さん的なつながりです。
 
親でも友達でもなく、年齢が近く先入観のない関係だからこそ、
高校生の心に素直に響くのです。
 
カタリバは、普段話さないような本音も口にすることができる関係性を、
高校などの授業に組み込むことで、より多くの高校生に
自分の夢や目標、悩みなどにしっかりと向き合うための機会を提供しています。
 
自分自身を認め、他人に応援してもらうことで、
明日の確かな一歩を踏み出していってほしいと願っています。
 
 

カタリバの立場

うまく言えないけど、サザエさんで言うなら「お隣のうきえさん」みたいな存在、とでもいいましょうか。
え!?わからない!?
ほらほらあの、いささか先生の家のうきえさんですよ。
カツオがね、いつもなにかあると「うきえさぁ~ん」って頼ってる、あの隣のお姉さん。
 
親子でも生徒と教師でもない、高校生にとって、直接利害関係のない第三者。
そしてちょっとだけ年上。ここがミソなんです。
 
 

カタリバのこだわり

高校生に対して、
『親』だからこそできること、『先生』だからこそできること、
または『このあいだまで高校生だった大学生・専門学校生若手社会人』だからこそ
わかること!できること!
それぞれがそれぞれの立場で高校生の『なりたい自分探し』の力になること。
 
NPO KATARIBAは学校現場の先生方やご両親の方々といい関係で協力しあいながら、
『高校生に近い私たちだからできること』を提供していきたいと考えています。
高校生のホンキのキッカケを一緒に創ります。
 
 

カタリバのすすめ

毎日毎日クソまじめなだけの人がいいとは思いません。
遊ぶのだって、若い時間にこそ許される有意義な勉強のはず。
 
楽しむこと楽しんで、だけどたまにはちょっとね、
自分のこと社会のこと、ちょっとまじめに考えてみるみたいな・・・
それってカッコ悪いことじゃないよなぁ。。
 
ばかみたいに遊んでても、たまには自分にまじめになりたいかも、って思うんです。

社会背景と私たちの問題認識

社会背景と私たちの問題認識

学力低下、モラルハザード、いじめ、自殺、リストカット、
ニートや引きこもり、フリーターの増加・・・。
現代の子ども達を危惧する多くの声が、日々様々なところから聞こえてきます。

また、学校教育のサービス業化、私立学校の台頭や所得格差などによる
教育格差など、子どもたちを取り巻く教育環境にも、
多くの悲鳴が叫ばれています。


しかし本当に子どもたちは、そして学校教育は、
変わってしまったのでしょうか。

確かに子ども側も、昔と比べて価値観に変化があるのでしょう。
お母さんが作ってくれる夕食を待たなくても、
彼らは、コンビニで105円出せばおにぎりが買えることに慣れています。
ケータイに向かってプチプチと親指を使えば、行きたい場所への行き方が探せます。
住んでいる地域や通っている学校の中で、気の合う人をみつけることに
苦労しなくてもネットを利用してクリックすれば、同じ趣味の友達が作れます。
クラスの嫌いな人とは話さなくても、突っぱねてその時間に我慢して、
ケータイの電源を入れれば、もっと居心地のいいコミュニケーションの時間を
得ることができます。

顔を見たことがなくても、声を聞いた事がなくても、
文字と単語で自分を表現すれば友達も恋人も、最近では家族までも、
すぐに作れてしまうわけです。
学校の授業の時間寝ていても、受験に必要な科目だけ効率的に暗記できる方法を
教えてくれる塾に行けば、テストの点数はとれるんです。

苦労しなくても、「答え」を求めれば「答え」を得られることを知っている彼らが、
いつその価値が分かるか分からない「学び」を楽しむことは難しくなっているのかもしれません。
大人が作った仕掛けの中で、子どもたちはそれを大人よりも上手に駆使し、
大人が知らないコミュニケーションを覚えているのです。

とはいえ、私たちがこの6年間の活動を通じて分かったのは、
子どもたちは悲観視されているほど、変貌してはいないということです。

みんな、今の自分に迷っています。本当は何かやってみたいと思っています。
将来のことがよくわからなくて不安を抱いています。
今の自分のままでいい、と現状に甘んじている人は、多くありません。
お父さんやお母さんに本当は知ってもらいたい事、たくさんあるみたいです。

彼らは、まだ知らないわくわくする経験や、苦しんだからこそ得られる
成長を知らないだけ。世代が違う人たちにうまく説明できない自分の気持ちを
伝える勇気が持てないだけなのです。

変わってきたのは、私たち大人の姿勢や、学校教育に求めるニーズなのではないでしょうか。
格差はいつの時代でもあったはずです。
大切なのは格差を危惧することではなく、自分の日常を受け入れて、
何かどう楽しめるかを考える事、それを応援できる大人の存在です。

学校現場の先生方も、頑張ってる先生がたくさんいらっしゃいます。
大人が先生への不満を口にするから、子どもも先生の話を聞かなくなるのです。
子ども達には、自分たちへの危惧の声も、学校教育へのクレームも、
すべて敏感に伝わっているのです。

今、あらためて、社会全体として取り組まなければいけないのは、
一人ひとりの子どもたちと向き合い、じっくりと耳を傾け、彼らを動機付けながら、
ゆっくりとコミュニケーションをすることです。
そして、「大丈夫!」って励ましてもらえること、ダメな事はダメだと
叱ってもらえること、「頑張ったね」って褒めてもらえること、
夢をじっくり聞いてくれること、例えばその夢にリスクがあるのなら、
それをしっかり伝えてくれる事、大人だからこそ知っている、
世界や経験を話してあげること・・・。
そういった、ホンキでコミュニケーションをしてくれる人の存在があれば
きっと彼らは憧れて、自分も、大人になりたくなるはずです。

21世紀になってから、7年が経ちました。
いま、大人が子どもとのコミュニケーションを見直して、
一人でも多くの子どもたちがわくわくする憧れやドキドキする挑戦をたくさん
できるよう支える事が、子どもたちが近い将来社会を担う人材になったとき、
もっと笑顔あふれる社会にしていってくれる大人になるでしょう。
私たちには、その確信があるのです。

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