2001年夏、まだ学生だった私たちは、
「無気力・無感動・無関心な若者たち」などと表される世代の内側、
つまり、教育を受ける側にいました。
本当にそうなのか?本当はみんな思っていることがあるんじゃないの?
まだ眠っているかもしれないけど、誰でも心の奥にはスイッチが入りさえすれば点火する
「ホンキ」が眠っているんじゃないか・・?
そして何かひとつやってみたら、誰かが自分を変えてくれるんじゃなくて、
自分で自分を楽しくするってこと、きっとわかってくるはず。
私たちは、自分たちの世代を表象的に表される
様々な大人言葉に違和感と抵抗感を感じつつも、
確かにどこか言い当てているこの現状をなんとかしたいと思いました。
状況は、社会が悲観視されているほど悲観的でもなく、
本当に可能性も希望も本気もやる気もまったくない人は一人もいないということを、
私たちは確信していました。
なぜなら、私も、「きっかけ」以前はあっち側にいたからです。
感動のあまり心を揺さぶられるような経験
本気でやったのに叶わなかった目標に悔しくて涙する経験
みんなと一緒に心のそこから大笑いするような経験
胸がいっぱいになるくらい憧れる人との出会いの経験
コミュニケーションのメディアが便利になってきた今、
つながりたい人とだけつながりあえる時代になってきたからこそ、
こういう経験は足りなくなってきているのかもしれない。
しかし心がずしんと動くようなこういう経験は、考え方や行動にとって、
確実な「きっかけ」になります。
今日の時点で自分や周りにドライなあの子も、きっと何か「きっかけ」で変わる。
ダルイとかウザイとか、そういう表現で自己表現しているあの子も
それ以外の表現で複雑で繊細な自分の感情を表現できていないだけ。
「きっかけ」不足な社会に生きる10代のために、
「私、がんばってみようかな!」と思えるような「きっかけ」をつくりたい。
それも、できるだけ、みんなに行き渡るような方法で。
そう思い立って2人で活動をはじめてから6年がたちました。
現在NPOカタリバには、年間3800名もの若者が、
「昔の俺に会ったら言ってやりたい事が山ほどあるんだ」なんて言いながら
真剣に「自分が受けたかった授業」をつくり、高校に訪問し、
高校生に「きっかけ」を運ぶ活動をしています。
NPOカタリバが特定非営利活動法人NPOカタリバになった今日、
ここであらためて宣言します。
特定非営利活動法人NPOカタリバは、社会を構成する人々のつづく日常の中に、
たくさんの優しいナナメの関係が生まれ、個々が少しづつみんなのために優しくなる、
そして、未来の社会づくりに自分らしい形で少しづつ参加する人が増えた時に、
確実に社会は変わるのではないか。
NPOカタリバなんていう仕掛け屋が
いなくてもそんなことが成り立っている日を目指して、
今日もカタリバは多くの高校で生活する高校生にたくさんの「きっかけ」を運び続けます。
2006年9月吉日
特定非営利活動法人 NPOカタリバ 代表 今村久美 (旧性 中澤)







